深川麻衣&志田彩良“パンバス仲良し姉妹”が明かす、女優としての“日常”とは?
『サッドティー』(13)『退屈な日々にさようならを』(16)などで、新たな恋愛映画の旗手として注目されている今泉力哉監督の最新作『パンとバスと2度目のハツコイ』。パン屋で働く主人公・ふみが、中学時代の初恋の相手と再会したことからはじまる“モヤキュン”ラブストーリーだ。
そんな本作で注目したいのは“恋愛こじらせ女子”の主人公・ふみを演じる深川麻衣と、彼女の家に転がり込んでくる妹の二胡を演じた志田彩良。初共演ながら息の合った姉妹役を演じた2人を直撃した。
2011年に乃木坂46の1期生としてデビューし、2016年夏に卒業した深川は、本作で映画初出演にして初主演。「映画の世界には昔から憧れがあったので、夢をひとつ叶えた嬉しさもありましたが、大きな役をいただいたことで、うれしさと不安が半分半分くらいでした」と心境を吐露。
また、ふみという役柄について「私自身と似ている部分はたくさんあります。監督が脚本を書いている段階でお話させていただいて、私の環境を反映してくださった部分がいくつもあるんです」と、そのバックグラウンドの一端を彼女自身が担っていることを語った。静岡県出身で、過去に美術をやっていたり、ホクロがチャームポイントだったりという共通点があるという。
そんな深川の素顔を、志田は「映画のふみちゃんそのもの」だと明かす。「みなさんがイメージしている通りで、本当に優しくて裏表がない」と褒められた深川は「全然優しくないよ」と照れ笑いを浮かべた。
一方で深川は志田の印象について「すごく純粋で真っ白な女の子で、知れば知るほどおもしろいんです」とニッコリ。撮影中に2人がアドリブで演じたやり取りがそのまま劇中に使われていることを教えてくれた。まさに今泉監督の得意とする、役者と登場人物の垣根を超えたリアルな関係が描きだされているのだ。
今泉監督について深川は「穏やかな空気感を持っている監督」と表現する。「男女両方の視点から繊細な恋愛を描くことができるってすごいな、と思いました。とても柔らかい世界観は、監督の人柄が出ているのかも」と分析。さらに、ひょうひょうとした雰囲気の今泉だが、現場で凄まじい集中力を発揮するようで「モニターを見ている時の鋭い目を見たら、自分ももっと頑張らないといけないと強く思った」と志田は明かす。
本作のキーワードのひとつとなっているのが“日常”。2人にとっての“日常”は何かと訊ねると、深川は「家に帰ってきてソファでごろごろしながら、録画したテレビ番組を見ることですかね」とにこやかに語り、志田は「学校です」と即答。そして「もうすぐ卒業なので“日常”じゃなくなっちゃいますけど」とつづけた志田は、今後の芸能活動に「不安よりも楽しみが大きい」と目を輝かせる。
そして深川も「自分に限界を決めないことを大事にしていきたい」と語り「いままでは気持ちを内側に秘める役が多かったので、真逆のクセが強い役をやってみたい。どんな場所に行ってもその世界に溶け込めるような女優になりたいです」と抱負を語った。これから女優としてさらに活躍していくであろう2人に注目していきたい。
取材・文/久保田和馬