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「ワインスタイン・カンパニー」が経営破綻!セクハラ問題でハリウッドに更なる震撼

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「ワインスタイン・カンパニー」が経営破綻!セクハラ問題でハリウッドに更なる震撼

ハリウッドのエンタメに詳しくない人たちの間でも、セクハラ問題で世界的に名が知れ渡ってしまったハーヴェイ・ワインスタイン。現在約70人以上の女性からセクハラを訴えられている彼が創始した映画会社「ワインスタイン・カンパニー」が、破産手続きを申請して経営破綻することになったと、米国の複数メディアが報じている。

ハーヴェイ・ワインスタインは、横暴で短気な性格で知られるハリウッドの大物プロデューサーだ。大胆な手法でビジネスモデルを築き上げ、現在の映画業界におけるマーケティングの基盤をつくったともいえる人物だ。

彼は弟のボブとともに1979年にエンタテインメント会社「ミラマックス」を創設。『パルプ・フィクション』(94)、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)や『恋におちたシェイクスピア』(98)など、名作を次々と輩出したあと、ミラマックスを離れて2005年に再び弟ボブとともに「ワインスタイン・カンパニー」を設立した。

ワインスタイン・カンパニーも『イングロリアス・バスターズ』(09)や、第83回アカデミー賞で作品賞を受賞した『英国王のスピーチ』(10)、『ジャンゴ 繋がれざる者』(12)といった、興行成績も、評論家からの評価も良い作品を次々と生みだす会社に成長。

しかし、2017年にハーヴェイのセクハラ問題が浮上してから、ワインスタイン・カンパニーは同社の会長で創始者の1人でもあるハーヴェイを解雇し、中小企業庁の元長官であるマリア・コントレラス・スウィート氏や、ロン・バークル氏を筆頭とした投資家連合への身売りを試みていた。

しかし、投資家がセクハラ被害者のための巨額の基金設立を要求したことや、裁判や交渉が長引く事による経済的負債が、社員の生活保障を懸念する会社の方針と見合わず断念。同社は破産手続きを進めると発表した。

複数の名作を生みだしてきたワインスタイン・カンパニーが破産すると同時に、同社が保持する製作権や資産をめぐり、複数の企業や映画スタジオが興味を示すことは間違いないだろう。

LA在住/小池かおる

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