【第90回アカデミー賞】作品賞は『シェイプ・オブ・ウォーター』で最多4冠!デル・トロ監督は感無量の表情
現地時間3月4日(日本時間5日)に、ハリウッドのドルビー・シアターで開催中の第90回アカデミー賞授賞式。見事、作品賞に輝いたのは『シェイプ・オブ・ウォーター』(公開中)で、ギレルモ・デル・トロ監督の監督賞、美術賞、作曲賞の最多4冠を受賞した。
作品賞のプレゼンターは、昨年の誤発表騒ぎに巻き込まれた“ボニー&クライド”コンビ、のウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイだった。ギレルモ・デル・トロ監督は「いまのあらゆる状況を変えようとしている若い人たちにこの賞を捧げます」と感無量の表情で語った。
記念すべき第90回のセレモニーは、セクハラ問題を批判する像が登場したり、クレームを掲げる広告板が多数出たりもしたが、受賞者やプレゼンターたちゲスト陣は、改めてアカデミー賞におけるダイバーシティ(多様性)を訴えるスピーチに心を震わせた。とりわけ、主演女優賞を受賞した『スリー・ビルボード』のフランシス・マクドーマンドが「女性たち、立ち上がって!」と声をかけ、メリル・ストリープたちを筆頭に女性のキャストやスタッフ陣が立ち上がるというくだりは、大いに心を揺さぶられた。
また、昨年に続き司会を務めたジミー・キンメルは、「受賞結果が発表されてもすぐに席を立たないで」と、昨年の作品賞の誤発表をネタにしつつ、会場を大いに盛り上げた。
今年の授賞式では、メイキャップアーティストの辻一弘が、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(3月30日公開)で、日本人初のメイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞したといううれしいニュースが。
また、すべての作品賞の受賞&候補作は、日本でも公開中、もしくは春の公開待機中というタイミングとなり、興行にもつながることがおおいに期待できそうだ。
■第90回アカデミー賞受賞作一覧
【作品賞】『シェイプ・オブ・ウォーター』
【監督賞】ギレルモ・デル・トロ『シェイプ・オブ・ウォーター』
【主演男優賞】ゲイリー・オールドマン『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
【主演女優賞】フランシス・マクドーマンド『スリー・ビルボード』
【助演男優賞】サム・ロックウェル『スリー・ビルボード』
【助演女優賞】アリソン・ジャネイ『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
【脚本賞】ジョーダン・ピール『ゲット・アウト』
【脚色賞】ジェームズ・アイヴォリー『君の名前で僕を呼んで』
【撮影賞】ロジャー・ディーキンス『ブレードランナー 2049』
【編集賞】『ダンケルク』
【美術賞】『シェイプ・オブ・ウォーター』
【衣装デザイン賞】『ファントム・スレッド』
【メイクアップ&ヘアスタイリング賞】『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』
【視覚効果賞】『ブレードランナー 2049』
【録音賞】『ダンケルク』
【音響編集賞】『ダンケルク』
【作曲賞】アレクサンドル・デスプラ『シェイプ・オブ・ウォーター』
【主題歌賞】“Remember Me”『リメンバー・ミー』
【長編アニメーション賞】『リメンバー・ミー』
【短編アニメ映画賞】『Dear Basketball(原題)』
【外国語映画賞】『ナチュラルウーマン』(チリ)
【長編ドキュメンタリー賞】『イカロス』
【短編ドキュメンタリー賞】『Heaven is a traffic jam on the 405(原題)』
【短編映画賞】『The Silent Child(原題)』
文/山崎 伸子
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