「いますぐ撮りたいと思った」スピルバーグが想いを語る『ペンタゴン・ペーパーズ』メイキング映像
巨匠スティーヴン・スピルバーグが、オスカー俳優メリル・ストリープとトム・ハンクスの初共演で描いた『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』がいよいよ公開。それに先がけて公開された本作のメイキング映像では、生き生きとした表情で撮影を進めるスピルバーグやスタッフ、キャストが作品を語る様子が確認できる。
本作は、ベトナム戦争が泥沼化していた1971年、米政府が隠してきた不正を暴く機密文書を巡るワシントン・ポスト紙の奮闘を描いた実話ベースの物語。ストリープが同紙の社主キャサリン・グラハム、ハンクスが編集主幹のベン・ブラッドリーに扮している。スピルバーグと言えば、ハイクオリティな作品をとてつもないスピードで仕上げる“早撮り監督”としても知られるが、本作の脚本を読んだ監督は「いま撮るべき作品」と強烈なメッセージを感じ、予定していた作品よりも優先し、異例の早さで本作を完成させている。
短期間ながら監督の熱意に応えるように撮影に参加したストリープやハンクス。映像では、スピルバーグ作品初出演のストリープが「即興的な撮り方よ。リハーサルなしで驚いたわ。彼は“次は違うふうに”といろんな撮り方を試したの」と撮影を振り返れば、スピルバーグ作品とは5度目のタッグとなるハンクスも「スティーヴンの撮り方には最初は誰もが驚く。彼は僕らの目の前で物語を紡いでいくのさ」と応え、巨匠の手腕に感服している様子。
スピルバーグ自身も「脚本でのキャサリンの描き方が素晴らしく、すぐに撮りたいと思った」とコメント。続けて「キャサリンが仕事を通して成長していく姿は、今日の女性を勇気づけるだろう。自信のなかった彼女が大きな決断を下し、変身するんだ」とも語っている。
インターネットの発展で様々な情報が飛び交い、世界的な不寛容が広まり混迷する現代。真実を伝えるために闘ったワシントン・ポスト紙の記者たちの物語を通して、この危機的な状況に警鐘を鳴らそうと完成させた本作に、スピルバーグが込めた熱いメッセージを劇場で確かめてみては?
文/トライワークス