ウェス・アンダーソン監督が熱望!大友克洋×『犬ヶ島』夢のコラボレーションが実現
『グランド・ブダペスト・ホテル』(13)のウェス・アンダーソン監督が全編日本を舞台に描き出したストップモーションアニメの最新作『犬ヶ島』(5月25日公開)。このたび本作から、ウェス監督も敬愛する日本の漫画家・大友克洋が描き下ろしたコラボイラストが到着した。
“犬インフルエンザ”の流行によって隔離された愛犬を探す少年と犬たちの壮大な冒険を描いた本作は、先日開催された第68回ベルリン国際映画祭でアニメーション作品としては異例の銀熊賞(監督賞)を受賞。ウェス作品の常連俳優からハリウッドを代表する演技派俳優、そしてRADWIMPSの野田洋次郎ら個性豊かな日本人俳優たちがボイスキャストとして参加することでも話題を集めている。
今回、作品の随所に独特な“日本愛”が表現された本作の公開にあたり、ウェス自ら大友とのコラボレーションを熱望。『AKIRA』(88)などで知られるジャパニメーションの先駆者であり、漫画や絵画など幅広い創作活動を行う大友はそれに快諾し、彼流のタッチでイラストを描きあげた。
そこには、傷を負いながらも勇ましい眼差しの日本犬の姿が描かれており、その大きな背中には主人公の少年・アタリや5匹の犬たちをはじめとしたキャラクターが大集結している。
自身が描いたイラストについて大友は「黒澤(明)映画からの直接的な音楽の引用を含んだ日本映画へのオマージュに満ちている完璧な世界で、なにかを加えることは難しいと思いました」と、本作のディテールの豊かさに敬服。そして「そこで日本犬を“犬ヶ島”に見立て、伝統的な日本の木の床を海として見立てて描きました」と語っている。
世界中のアニメファンや漫画ファンが敬愛する大友をも魅了する本作。実写でもアニメーションでも遺憾なく発揮されるウェス・アンダーソンの類稀なる世界観に、誰もが虜になること間違いなしだ。
文/久保田 和馬