放送開始から1年半、いまこそ知りたい「仮面ライダーエグゼイド」のススメ!

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放送開始から1年半、いまこそ知りたい「仮面ライダーエグゼイド」のススメ!

ゲーム×医療の「仮面ライダー」は、命をどう描いたのか?

極力ネタバレは避けつつ、以上が「仮面ライダーエグゼイド」中盤までの大まかなあらすじだ。以降は「仮面ライダークロニクル」の完成、ポッピーも仮面ライダーポッピーへと変身、さらに黎斗の父・檀正宗(貴水博之)の登場により、さらに怒濤の後半戦へなだれ込む。

ガシャット(ゲーム)の特性を活かしたライダーバトル、アクションの数々、話数を重ねる毎に謎が明かされ、そして新たな謎が立ち塞がる展開は、長年“平成ライダー”シリーズで培われてきた、まさにお家芸と言える。

特筆すべきは、作品がアクションやRPG、シューティングなど敵を倒す目的が主となる“ゲーム性”の強い演出の下、同時に“命の尊さ”を視聴者に考えさせるドラマ性も持たせている点だろう。患者の命を救おうと懸命に戦う永夢、5年前にバグスターが引き起こした人類大量消失事件(ゼロデイ)で恋人を救えなかった飛彩、その恋人が命を失うきっかけを作ったと苦悩する大我、さらにゲーム病を発症し自暴自棄になった友人を救えなかった貴利矢…。医師たちはみな命を巡る葛藤を抱え、乗り越えようとする。

『パラドクスwithポッピー』は、バグスターでありながら人間と共存する2人の物語。
『パラドクスwithポッピー』は、バグスターでありながら人間と共存する2人の物語。[c]2018石森プロ・ADK・バンダイ・東映ビデオ・東映
貴利矢役の小野塚勇人は先日、恋役の小手伸也と共に「コンフィデンスマンJP」に出演し、SNSなどで話題に(『パラドクスwithポッピー)
貴利矢役の小野塚勇人は先日、恋役の小手伸也と共に「コンフィデンスマンJP」に出演し、SNSなどで話題に(『パラドクスwithポッピー)[c]2018石森プロ・ADK・バンダイ・東映ビデオ・東映

逆に、死すらも収集データと捉え、死を軽んじる黎斗、死を理解できずゲームを通して人を消滅させるパラドといった、人を殺めた者たちの感情にも物語は焦点を当てる。彼らが永夢たちとの戦いを通じて、命の価値観をどう変えていくのか(もしくは変わらないのか)…といったドラマは、子供たちのみならず、今や父親、母親になったファミコン世代の心にも深く刻まれる。

周辺キャラクターの魅力を掘り下げたVシネマ

そんなドラマをTVシリーズ全45話、さらに『劇場版 仮面ライダーエグゼイド トゥルー・エンディング』(17)を通して追い続けると、永夢だけでなく前述のキャラクター一人一人にも、自然と愛着が湧いてくる。そんな思いに応えた作品が、今回リリースされた「アナザー・エンディング」三部作だ。

ライダーに変身したパラド&ポッピーが挑む相手とは?(『パラドクスwithポッピー』)
ライダーに変身したパラド&ポッピーが挑む相手とは?(『パラドクスwithポッピー』)[c]2018石森プロ・ADK・バンダイ・東映ビデオ・東映
新たなガシェットを開発し力を得たゲンム(右)に、レーザーが猛攻!(『ゲンムVSレーザー』)
新たなガシェットを開発し力を得たゲンム(右)に、レーザーが猛攻!(『ゲンムVSレーザー』)[c]2018石森プロ・ADK・バンダイ・東映ビデオ・東映

PartI「仮面ライダーブレイブ&スナイプ」では共にゼロデイから苦悩を抱え、序盤から戦い続けた飛彩と大我、PartII「仮面ライダーパラドクスwithポッピー」では、ゲームから生まれながら人間の心に触れ成長したパラドとポッピー、そして「ゲンムVSレーザー」では、生死を因縁の対峙を幾度となく繰り広げた黎斗と貴利矢…と2人ずつを主人公に据え、永夢は彼らの結末を見守る立場として登場させ、彼らの後日譚をドラマチックに描く。

一作一作、独立した作品として楽しめるが、やはりTVシリーズから追いかけるとその感動とカタルシスは幾重にも広がっていく。このゴールデンウィークに、動画配信サイト、またはレンタルなどでイッキ見を楽しむのもオススメだ。

文/トライワークス

「仮面ライダーエグゼイド」
東映特撮ファンクラブにてVOD配信中

「仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング 仮面ライダーブレイブ&スナイプ」
「仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング 仮面ライダーパラドクスwithポッピー」
「仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング 仮面ライダーゲンムVSレーザー」
発売中 発売元:東映ビデオ
通常版ブルーレイ 各5,500円+税 通常版DVD 各4,500円+税