マット・デイモンの救世主!リアルな映像は本物のイラク帰還兵のおかげ
マット・デイモン、ポール・グリーングラス監督という“ジェイソン・ボーン”シリーズの黄金コンビが放つアクション映画と言えば、5月14日(金)より公開中の『グリーン・ゾーン』。ボーンシリーズでもおわかりの通り、今回も怒濤のアクションシーンが満載で高評価だが、それにひと役買っているのが、本物のイラク帰還兵だということをご存知だろうか?
イラクの首都バクダードを舞台に、マット扮する米陸軍のミラー准尉が隠された大量破壊兵器を捜索するという本作。これに真実味を与えようと考えたグリーングラス監督は、劇中に登場する移動探索班の要員やそのほか多くの軍人役にイラクの帰還兵を起用した。「本物の兵士に参加してもらえるなんて最高だ。キャストたちが実際の場に身を置いているという気持ちになれた」と話し、そのリアリティをとことん追求したという。
また、演者のマット・デイモンも同様で「彼らのおかげでとてもやりやすかった。事細かに指示しなくても自発的に動いてくれるなんて理想的だよ。役者がいくら逆立ちしても、本物の兵士にはかなわないからね」と明かす。隊長役という責任感のある役柄だけに、マットは彼らの存在に助けられたようだ。
一方、演技初挑戦となった元兵士たちも、役者さながらに演技に没頭した。自分たちが経験したことを正しく描いてもらいたいと望み、内容についても積極的にアプローチしたとのこと。グリーングラス監督が「彼らは絵空事には容赦しないね」と話すほど、元兵士たちは真剣に撮影に臨んだという。
本作はドキュメンタリー映画ではないものの、観るうちにまるで実際の戦地にいるような感覚に陥っていく。それは、激戦地を生き抜いてきたイラク帰還兵の体験や思いが画面にしっかりと映し出されているからなのだろう。決して嘘ではない、彼らの生の演技をスクリーンで体感してほしい。【トライワークス】