映画『HURRY GO ROUND』で知る、ロック史に輝くhideという存在
足跡や、盟友の証言から深く知るカリスマの真実
hideの成功と名声は、死とは無縁のものだったはず。ではなぜ…?矢本はhideの地元である横須賀、L.A.のスタジオ“SUNSET SOUND”など、入手した当時のhideのスケジュール帳を元に足跡をたどり、最後には散灰されたサンタモニカの海へ。hideを知る人物の証言、さまざまなライブ映像。そこで矢本が知るのは、ステージにおける圧倒的なカリスマ性と、それとは裏腹な人間味あふれる一面。まるで少年のような無邪気な舞台裏の様子からは、時代のカリスマの素顔をかいま見る。そして行き着くのは最期の曲とされる「HURRY GO ROUND」の真実。
映画では、盟友YOSHIKIをはじめ、hideの実弟でパーソナルマネージャーを務めた松本裕士、hideとタッグを組んで多くの楽曲を生み出してきたI.N.A.、「HURRY GO ROUND」のミックスエンジニアを務めたエリック・ウェストフォールら、hideと縁の深い人物が、当時のhideについて証言する。またソロツアー『hide FIRST SOLO TOUR '94 HIDE OUR PSYCHOMMUNITY ~hideの部屋へようこそ~』や『hide solo tour 1996 -PSYENCE A GO GO-』などの貴重な舞台裏映像も収録されている。
足跡をたどることで、より鮮明に浮かび上がるhideの才能と、あまり語られてこなかった人物像。ロック史に燦然と輝くhideという存在が、関係者の証言と映像を通して、今も楽曲の中に生々しく生き続けていることを感じさせる。
文/榑林史章
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