「バットマンは侍に通じる部分がある」日本アニメ界の“ジャスティス・リーグ”が生んだDC映画は自由度満載!
日本のアニメの良さが詰まった完成版はアメリカで大反響
――完成した映画をご覧になって、中島さんはどう感じましたか?
中島「神風動画が90秒の密度で90分の映画を作るとこうなる、ということです。そんな世界の中に、手描きによる“百姓パート”のように想像すらしなかった絵で返してくれたのも嬉しかったし、すごく興奮しました。この密度で、最後までよく走り切ってくれたというのが正直な感想です」
水﨑「中島さんが脚本を書いた舞台を見てもそうですが、農民をすごく大事にされていますよね。今回の脚本を読んだ時も、あそこは一行たりともカットすべきじゃないと思いました。作り終えて思ったのは、劇団☆新感線の『髑髏城の七人』の『season蝙蝠(こうもり)』(笑)。まさに中島さんの世界でしたね!」
中島「3月にアメリカで催されたワールドプレミアに行ったんですが、お客さんがすごく喜ぶ姿を見て嬉しかったし、ホッとしました。会場で、これが作品が誕生する瞬間なんだと感じました」
水﨑「反響を聞くまでは、今までにないタイプの映画ができたという思いの一方で、それと観客が観たいものかどうかは別かもしれない、という思いもあったんです。結果的にはアメリカの真似じゃなく、日本のアニメーションの一番いいところを持ってきたという部分での大喝采だったと思います」
――本国でも高い評価を得ていますが、DCで2作目があるとしたら何をしますか?
中島「やりたいことは色々ありますが、第2弾をやるなら今回とはまた違うキャラクターを出したいですね」
水﨑「バットマンが手を組む忍者・蝙蝠衆の里には、バットマンそっくりな伝説の人物の石像が置いてある。あれは誰なのかという話を膨らませるのもいいですね。DCの世界ではありますが、一人でも日本産のコンテンツのキャラクターを入れられたら、また違った面白さが出せるんじゃないかと思います」
次回は、水﨑監督率いる神風動画スタジオの潜入取材レポートをお届け!“ジャスティス・リーグ”なスタッフ陣がアニメーション制作の舞台裏を、貴重なエピソード&制作資料と共に解説。『ニンジャバットマン』の理解が深まる第2弾インタビューにも乞うご期待。
取材・文/神武団四郎