手塚治虫『ブッダ』初の映画化に豪華声優陣が花を添える

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手塚治虫『ブッダ』初の映画化に豪華声優陣が花を添える

手塚治虫の最高傑作と称えられ、コミック界のアカデミー賞と呼ばれるアイズナー賞最優秀国際作品部門を2度にわたって受賞した『ブッダ』。発行部数2000万部を誇り、英語、フランス語、ポルトガル語、韓国語、中国語、スペイン語、イタリア語で翻訳され出版されている20世紀最高のコミックの映画化が遂に実現した。

過去にも幾つかの映像化オファーがあったが、原作の物語が壮大すぎて映像化するのが難しく、数社が道半ばにして断念。だが、構想10年、3部作として最高の脚本が仕上がり、『手塚治虫のブッダ 赤い砂漠よ!美しく』のタイトルで2011年5月28日より全国公開されることが決定した。

その映像に花を添える声優陣がまた豪華なのだ。ナレーションとチャプラの母役に日本を代表する大女優の吉永小百合、チャプラ役に堺雅人、スッドーダナ王役に観世清和(能楽観世流二十六世家元)、シッダールタ役に吉岡秀隆、ナラダッタ役に黒谷友香、その他にも折笠愛、竹内順子、玄田哲章、水樹奈々、櫻井孝宏など、そうそうたるメンバーが顔をそろえる。

吉永は「『手塚治虫のブッダ』は、後にブッダとなるシッダールタ王子を光とすれば、その対極にある、影ともいえる奴隷少年チャプラの栄光と破滅の物語でもあります。奴隷の身分を隠し、軍人として国家の英雄にまで上り詰めた少年が、奴隷の母親を“母さん”と呼んでしまったがゆえに、母と子は破滅への道へ向かいます。私は、チャプラの母親と、ナレーションを担当致しました。大好きな手塚作品に参加できましたこと、とても嬉しく思っております」と、物語の光と影の部分を語り、堺は「(吉永さんとは録音は別ながら母子としての共演となりますが、)吉永さんの声を聞きながら演じましたが、心に染み入るようなお芝居で、ご一緒させてもらい光栄です」と、別々の収録ながらも共演できたことの嬉しさを明かしてくれた。「声の演技は、自分で“間”を作れないので、その状況でどこまでシッダールタの気持ちに入っていけるかが難しかったです。2500年前のブッダの教えが現代まで受け継がれていることは素晴らしいことです。昔『ブッダ』を読んだ大人の方たちが子供連れで劇場に来てもらえれば嬉しいです」と、後にブッダとなるシッダールタ役の吉岡は、そのブッダの教えの尊さを多くの人に感じてもらいたいとコメントした。【Movie Walker】

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