のん、終戦の日に『この世界の片隅に』すずさんの涙を語る。新バージョンへの意気込みもたっぷり!

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のん、終戦の日に『この世界の片隅に』すずさんの涙を語る。新バージョンへの意気込みもたっぷり!

2016年に公開され、口コミと共に大きな反響を呼んだアニメーション映画『この世界の片隅に』の夏の再上映舞台挨拶が終戦記念日となる8月15日にテアトル新宿で開催され、主人公・すずの声優を務めたのん、片渕須直監督が登壇。のんが、劇中で終戦を迎えたすずが涙するシーンについて振り返った。

こうの史代の同名漫画を映画化した本作。第二次大戦下の広島・呉を舞台に、激化していく世の中で大切なものを失いながらも、日々を大切に紡いでいく女性・すずの姿を描く。

2016年11月12日(土)より公開され、連続上映日数は642日にのぼる。公開初日から1日も途切れることなく上映が続いており、片渕監督は「映画を作っている時はクラウドファンディングで支援をお願いしていた。たくさんの方に応援していただき、今日に至っている」と感激の面持ち。のんも「こんなに長くひとつの作品と付き合うのは初めてで、とても貴重な体験」と柔らかな笑顔を浮かべ、「こんなに皆さんに愛されている作品は、世界中どこを見てもこの作品だけなんじゃないかと思ってしまうくらい」と喜びをあふれさせた。

劇中ではすずが終戦を迎え、怒り涙するシーンがある。のんは「それまでのすずさんからは意外な気がした。それだけすずさんには押し込めていた感情があって、終戦の日にその怒りみたいなものがあふれ出てしまったのかと考えた」と役作りを述懐。さらに「監督から『終戦の日にはすずさんみたいに、訳も分からずボロボロと涙が出てきてしまった方がたくさんいらっしゃったらしい』と聞いて。説明のつかない感情があるんだなと思った。そのイメージも踏まえた」と話す。またアフレコ当日は「監督が録音ブースを真っ暗にしてくれて。集中できるようにしてくださいました」と周囲の気遣いに感謝しきりだった。

12月には、本作に約30分の新規シーンを付け足した『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が公開となる。本編のアフレコはまだ先とのことだが、特報映像用のナレーションをすでにやったとのことで、のんは「(すずを演じてから)期間がちょっと空いていたので、不安な気持ちもあった。でも何度かやっているうちに、大丈夫だなと思って手応えを感じました」とニンマリ。

片渕監督が「いままでにないすずさんの感じが出せればと思っていた。こうの先生が聞いてくださって『大人の声のすずさんですね。すごくよかった』と言っていた」と明かすと、のんは「うれしい!」と声を弾ませつつ、「これから付け足していくシーンは、ちょっと大人っぽいすずさんだったりする。解釈をもっと掘り下げて、監督と密にやっていけたら」と意気込みたっぷり。「お楽しみに!」とキュートな笑顔で語りかけ、大きな拍手を浴びていた。

取材・文/成田 おり枝

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