巨匠・黒澤明の系譜を継いだ超大作『峠 最後のサムライ』の製作が決定!
『御法度』(99)や『関ヶ原』(17)など、これまで数多くの著作が映画化されてきた日本を代表する歴史小説の大家・司馬遼太郎が60年代後半に発表し、累計発行部数284万部を超える大ベストセラーを記録した超大作「峠」。このたび同作を、名匠・小泉堯史監督が『峠 最後のサムライ』として映画化することが発表された。
物語の舞台は260年余りに及んだ江戸時代が終焉を迎えた幕末。動乱の時代に幕府にも官軍にも属さず、小藩・越後長岡藩の中立・独立を目指した実在の偉人・河井継之助を主人公に、彼を支え続けた妻・おすがとの愛情、そして継之助を信じ運命を共にしようとする男たちの熱い絆が描きだされる。
メガホンをとる小泉監督は『影武者』(80)や『まあだだよ』(93)など、今年で没後20年を迎える日本映画界の巨匠・黒澤明監督の晩年の作品で助監督を務めた経歴の持ち主。黒澤監督の遺稿を映画化した『雨上がる』(99)で監督デビューを果たし、その後も『博士の愛した数式』(06)や『蜩の記』(16)などを手がけ『散り椿』(9月28日公開)では脚本に携わるなど、つねに上質な日本映画を輩出してきた名匠が、本格的な合戦アクションに初挑戦する。
そんな小泉監督のもとに集結したのは、現在の日本映画界を牽引する超豪華俳優陣が。主人公・継之助役には役所広司。妻・おすが役には松たか子。継之助の父・代右衛門役を『たそがれ清兵衛』(01)の田中泯が、母・お貞役を『天国と地獄』(63)や『赤ひげ』(65)など黒澤作品に出演していた日本映画界のレジェンド・香川京子が演じる。
さらに山本學や井川比佐志といったベテランから、佐々木蔵之介や榎木孝明、吉岡秀隆ら実力派の中堅。そして東出昌大、坂東龍汰、永山絢斗、芳根京子といった期待の若手俳優も出演。そして、継之助を重用した前藩主・牧野忠恭を演じるのは黒澤組の常連俳優にして、本作で主演を務める役所を輩出した「無名塾」の主宰でもある名優・仲代達矢。
あらゆる世代を網羅した俳優陣に加え、日本が世界に誇る名作を生みだした黒澤組のスタッフも多数参加するなど、まさに日本映画の集大成とも言える超大作時代劇となる本作。9月中旬から3か月間にわたる撮影が敢行され、2020年の公開を予定している。続報を心して待ちたい。