トム・ヨークが25曲を書き下ろした新『サスペリア』、ヴェネチアで賛否真っ二つ!
第90回アカデミー賞で作品賞を含む4部門にノミネートされ脚色賞を受賞。日本でも女性客を中心に口コミが広まり、スマッシュヒットを記録した『君の名前で僕を呼んで』(17)を手掛けたルカ・グァダニーノ監督が、名作ホラーをリメイクした『Suspiria(原題)』が1日、現在開催中の第75回ヴェネチア国際映画祭で公式上映。賛否両論の大反響を巻き起こしている。
77年に公開され、その後のイタリアン・ホラーのみならず世界中のホラー映画に多大なる影響を残したダリオ・アルジェント監督のオリジナル版は、ドイツにあるバレエ学校に入学したヒロインが体験する奇怪な出来事を鮮烈な色彩で描き出した傑作。日本では「決してひとりでは見ないでくださいーー」のキャッチコピーで話題を呼び、大ヒットを記録した。
そんなオリジナル版と14歳の時に出会い、その時から大ファンだというグァダニーノ監督がリメイクを熱望し実現した本作は、ホラー映画としては珍しい152分にも及ぶ大作。「フィフティ・シェイズ」シリーズのダコタ・ジョンソンがヒロインを演じ、アカデミー賞女優ティルダ・スウィントンやクロエ・グレース・モレッツ、ミア・ゴスら豪華女優陣が共演。さらにオリジナル版でヒロインを演じたジェシカ・ハーパーも出演していることで大きな話題を集めている。
公式上映の前に行われたレッドカーペットには、ダコタを筆頭にティルダ、クロエ、グァダニーノ監督、そして劇中音楽を担当したレディオヘッドのトム・ヨークが登場。ヨークは本作のために25もの楽曲を書き下ろし、その中にはヨークのヴォーカルがフィーチャーされた楽曲も含まれているとのこと。
上映終了と同時に観客総立ちとなり、約8分間のスタンディングオベーションが巻き起こった本作。しかしそれと同時に、上映中には予想を上回る衝撃的な展開にブーイングも聞こえたという。それでも各メディアの評価は概ね良好。早い段階からアカデミー賞レースへの参戦も噂されてきた本作だが、今回の賛否両論がどのような結果を導くことになるのか、注目したいところだ。『Suspiria(原題)』は19年1月に日本で公開される。
文/久保田 和馬