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ブラッドリー・クーパー&レディー・ガガ、トロントで語った“スターである”ということ

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ブラッドリー・クーパー&レディー・ガガ、トロントで語った“スターである”ということ

現在開催中の第43回トロント国際映画祭にて、ブラッドリー・クーパー初監督、レディー・ガガ初主演作『アリー/ スター誕生』(12月21日公開)の北米プレミアが行われた。

記者会見に登壇したのは、クーパー監督、アリー役のガガ、脇を固めるサム・エリオット、デイヴ・シャペル、アンソニー・ラモスの5人。初監督を務めたクーパーがこのプロジェクトに着手したのは3年前だったそうだが、6年前にメタリカのコンサートに行ったとき「ステージ上で起きていることだけを映した映画があるとおもしろい」と感じたことがそもそものきっかけだったという。

劇中で人気ミュージシャン役を演じているクーパーは「スターの風格やミュージシャンの作法は、全てステファニー(レディー・ガガの本名)が教えてくれた。彼女はアーティスト同士として接してくれ、一緒にステージに上がる者として自信を与えてくれた」と全身全霊で打ち込んだ本作の役作りについて語った。

今回、初監督を務めるにあたって参考になったアドバイスについてクーパーは、「マイク・ニコルズ(『卒業』などで知られる映画監督)が、亡くなる直前に受けた取材のビデオをクランクイン直前に観たんだ。そうしたら『撮影前に完璧に準備し、現場に入ったらそれらを全部忘れること』と演出の極意として語っていた。まさに僕が役を演じるときと同じアプローチ法だったので、自分の方法論は間違っていなかったんだという自信を与えてくれた。あのマイク・ニコルズがそう言うのだから間違いないよ」と答えた。

またガガへは、若くして亡くなるアーティストが後を絶たない現代において、彼らを支える家族や関係者に与えられるアドバイスを求める質問が投げかけられた。それに対しガガは「アーティストに限らず葛藤を抱える世界の全ての人を、精神的にケアし、正しい道へ導いてあげることが大切なの。スターになると変わってしまうと言われるけれど、私たちじゃなくて、実際は周りの環境が全て変化する。アーティストだけじゃなく、誰もが発する小さなSOSに敏感になって、そばにいてあげることができるといいと思う」と感情を込めて語った。

本作でガガが演じたアリーも、クーパーが演じたミュージシャンのジャクソンも、夢の実現とともに失ったものに苦しめられていく。ハリウッドで3度目の映画化となる「スター誕生」だが、現代の状況を色濃く反映し、実際にスターでもあるクーパーとガガだからこそ描くことができたリアリティが映し出された至極の1本となっている。

取材・文/平井伊都子

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