「ブラック・ジャック」が狂言に!感動のエピソードをどう描く?
手塚治虫の代表作「ブラック・ジャック」といえば、これまでに幾度となくアニメや実写映像化、さらには舞台化もされてきた名作。そんな本作がなんと、8月29日(日)に開催される「第3回 善竹兄弟狂言会」にて“狂言”となって披露されることに。
ちなみに本作は、天才無免許医師ブラック・ジャックが法外な料金と引き換えに、様々な怪我や難病に苦しむ人々を治療していく姿を描いた人間ドラマ。そのドラマチックな人物描写は演劇にも向いていたようで、あの宝塚歌劇団で舞台化されたこともある。
そもそもマンガが狂言となったのは本作が初の試みで、第1回公演は手塚治虫80周年記念にあたる平成20年に実施された。その際、好評を博した人気エピソードが、より磨きをかけられ東京で再演されることとなったのだ。
ちなみに今回の演目は、原作164話「勘当息子」という心温まるエピソード。物語冒頭、電車が止まってしまい、立ち往生するブラック・ジャックは、あるおばあさんが営む民宿に一泊することになる。その日はちょうど、おばあさんの息子たちが数年ぶりに帰ってくることになっていたのだが、待てど暮らせど、息子たちは帰ってこない。やがて一郎、二郎、三郎からは所用で帰れないとの連絡が入り、ブラック・ジャックとおばあさんは自棄酒を始めるものの、そこに勘当されていた四郎が帰ってきて、というストーリーになっている。
この親子の絆を描いた物語を“狂言”という形でどう表現するのか非常に楽しみだが、それ以上に、ブラック・ジャックに相当する人物がちゃんと黒ずくめの衣装で登場している点には、原作ファンならずとも嬉しくなってしまう。
“狂言”と聞くと、ちょっと難しいのではと感じてしまうが、描かれる物語があのブラック・ジャックだと思えば気も楽になるはず。これをきっかけに狂言の世界をのぞいてみてはどうだろうか。【トライワークス】
日時:8月29日(日)13:00開場 14:00開演
会場:宝生能楽堂
料金:一般前売券4500円、一般当日券5000円、学生前売券2000円、学生当日券2500円(全席自由席)
販売所:善竹会事務所・宝生能楽堂、ローソンチケット