映画あるある満載の「シネマこんぷれっくす!」その誕生の秘密を作者が告白!
映画好きなら、思わずうなずいてしまう小ネタ満載のドタバタ青春コメディ「シネマこんぷれっくす!」(「月刊ドラゴンエイジ」にて連載中)。「マンガ大賞2018」や「次にくるマンガ大賞2018」にノミネートされるなど、映画ファンを中心にじわじわ人気を伸ばしている。映画研究部を舞台に、映画好きな男子高校生・熱川鰐人(あたがわ がくと)と、彼を翻弄する(黙っていれば美女なのに)クセ者揃いな先輩たちの騒動を描く本作は、どのようにして生まれたのか?第2巻の発売を記念し、作者であるビリー氏に直撃取材を敢行!
着想のキッカケは?
同人などで活躍してきた同氏の、初連載作品となった本作。「連載企画を考えていた際に、映画好きだと知っていた編集氏から『映研ものでいんじゃないスかね』と言われ『おう』という感じでした」という担当編集との何気ない会話が誕生のきっかけだそう。その後も「部活ものと言えば『究極超人あ~る』だろ」「じゃあ高校生で」と方向性はトントンと決まったが、「『げんしけん』だな、とならなかったのは、私が大学に行っていないからです。『じゃあ、取材行きますか?』と言われましたが、大学を楽しむキラキラした青春若人を見たらどうにかなりそうだったので『反吐が出るわ』と丁重にお断り致しました」と、本作の骨格ができあがっていくまでを教えてくれた。
主人公・熱川の先輩である“黒澤”や“小津”など、著名映画人の名前と結びついたキャラクター名が多く登場する。「映研つったら映画を撮る部活だよなと思い、その方向で設定を考えて提出したのですが、『映画の話するだけでいいと思うんすけど映画を撮る話なんてこの先描けんすか?』と言われ『無理に決まってんだろ』となりました。その名残で花村、宮川、祝は有名なスタッフさんの名前をもじらせて頂いております」とその経緯が判明。「B級映画好きの宮川は初期案では男で頭にタオルを巻いた195cmの強面マッチョでした」と、彼女以外はほとんど初期設定のままなのだとか。
絶妙な“映画あるある”が満載!
作中では、洋画・邦画・新旧問わず多岐のジャンルのタイトルはもちろん、“字幕vs吹替”や“邦題問題”、“実写化否定派について”など、映画ファンなら避けて通れない議論も多く登場する本作。「誰かが極端なことを言い出したら必ず対となる意見を出すように心がけています」と、ビリー先生。「完璧に出来てはいませんが、なるべく漫画としてのスタンスはフェアに、どちらかに肩入れしないようにしていきたいです。キャラに関しても長所と同量の短所を入れ、上がった株は上がっただけ落としたりします」というこだわりがあるそうで、映研のみんながヤイヤイと言い合いをしているのを見ているだけで心地よさを感じたり、クスッと笑えたりするユーモアのバランス感はここから生まれているようだ。
「シネマこんぷれっくす! 2」
マンガ大賞2018&次にくるマンガ大賞2018ノミネート、じわじわファン続出の映画議論コメディ第2巻がついに発売。コアな映画ファン達の一部で話題のドタバタ映画議論コメディ第2巻!青春にかける想いもすっかり消え失せ自堕落な高校生活を送る映研にどっぷりなガクト。まあこれはこれで楽しい映画議論を日々繰り広げてゆき――!?
著/ビリー(@biri_EX)
ドラゴンコミックスエイジ
第1巻、第2巻発売中
各定価(本体620円+税)
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