スパイダーマンに振り回され…スーパーヴィラン、ヴェノムの不遇過ぎる10年間!
「バットマン」シリーズのジョーカーのように、悪役キャラは時としてヒーローにも勝る人気を獲得する――。11月2日(金)に単独主演映画が公開されるヴェノムもまた、「スパイダーマン」シリーズで屈指の人気を誇るヴィランの一人だ。満を辞して主役となったヴェノムだが、ここまで来るには10年以上にわたる紆余曲折があった…。
1988年にコミックスに初登場したヴェノムは、スパイダーマンによって誤報を暴かれ、職も妻も失った記者エディ・ブロックが、地球外生命体の“シンビオート”に寄生されて誕生したキャラクター。スパイダーマンの宿敵として戦いを繰り広げ、人気ヴィランとして長きにわたりファンから愛されてきた。
過去には、サム・ライミ監督がメガホンをとった『スパイダーマン3』(07)に登場しているが、この時はヴェノムを単独映画化したいというプロデューサーの意向により、半ば強引にスクリーンデビューさせられた形に。監督自身は思い入れの薄いキャラクターだったため、劇中での扱いも大きくはなく、また線の細すぎる残念なビジュアルでファンの不評を買ってしまった。
その後もスピンオフ映画製作の話が持ち上がったヴェノム。しかしサム・ライミが『スパイダーマン』から離れ、リブート版を進めることが決まったため話は立ち消えに。また、『アメイジング・スパイダーマン』シリーズとクロスオーバーするかもしれないという話が噂されたものの、シリーズの打ち切りによって、またもやキャンセルに…。作り手の都合に振り回されて、話が出ては消えるという不遇の時を過ごしてきたのだ。
そんな振り回されっぱなしのヴェノムだったが、2016年、再び映画化プロジェクトが始動し、トム・ハーディを主演に据えてようやく完成。2018年4月に映画の予告編が公開されると、これまでお預けにされてきたファンの期待の高さを反映するかのように、『デッドプール』(16)や『ローガン』(17)を上回る、24時間で6430万回再生という記録を樹立。公開前から絶大な支持を集めた。
そして蓋を開けてみれば、一足早く公開されている国の全世界興収が、すでに5億800万ドル(10月29日時点)を超える大ヒットとなっている本作。不遇の時代の鬱憤を晴らすかのように、スクリーンで大暴れするスーパーヴィランの姿を目撃してほしい!
文/トライワークス
発売中
4K ULTRA HD&ブルーレイセット 4,743円+税
発売・販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント