「自分で考えて、決意する」大河初出演の城桧吏が西郷菊次郎の“覚悟”に感服!
明治維新の立役者、西郷隆盛を鈴木亮平が演じ、その生涯を描く大河ドラマ「西郷どん」。最終章・明治編に突入した第39回(10月21日放送)では、いきなり明治37年の場面から始まり、第1話からナレーションを担当している西田敏行が京都市長になったばかりの西郷の息子、西郷菊次郎として登場したことでも話題となった。この重要人物の9~12歳期を演じ、同じく第39回から出演しているのが城桧吏だ。
『万引き家族』(18)では軽犯罪を生業とする一家の息子を演じ、父と共に万引きをしながらも、これは正しい行いなのかと苦悩、葛藤する健気な姿で観る者の心を震わせた城。一方で、その素顔はあどけなさが残る天真爛漫な12歳だ。そんな輝ける俳優人生をスタートさせたばかりの城に、菊次郎という人物やその内面、学校での歴史の授業についても聞いてみた。
菊次郎から見た西郷隆盛の印象は「百姓みたい」
城演じる菊次郎は、幕政の煽りを受けた西郷が奄美大島へ島流しにあっていた時期に出会った島の女性、愛加那との間に生まれた長男で西郷にとっての初めての実子になる。その後、西郷は鹿児島へと戻り、明治維新を成し遂げるのだが、この間の菊次郎は母と共に島での生活を送っていた。しかし、9歳の時に初めて鹿児島へと渡り、父と対面することになる。
「菊次郎にとっては初めての場所で、不安な気持ちが強かったと思う」と8月に行われた撮影を思いだしながら、菊次郎の心情を分析する城。また、「(二階堂ふみ演じる)奄美大島のお母さんからは、お父さん(西郷)が立派なお侍ですごい人だと聞かされていました。でも、実際に会ってみると百姓みたいな人だった」とも続け、初めて対面する父が菊次郎の厳格なイメージとは違っていたことを明かす。
その時代の人々の生活をリアルに描写する大河ドラマだけに、「薩摩ことばや奄美大島の言葉が混ざっていて、大変だった」と方言には苦労したという。印象に残っているシーンには、「お父さんたちに『異国に行きたい』と告げる場面」を挙げ、「自分で考えて、決意するシーンでした」と振り返る。12歳で渡米した菊次郎の“覚悟”が、同じく12歳ながら映画やドラマで活躍する城自身の心にも響いていたようだ。