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村上虹郎の熱演に広瀬アリスがうなる「虹郎くんがどんどん飲み込まれていく感じがした」

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村上虹郎の熱演に広瀬アリスがうなる「虹郎くんがどんどん飲み込まれていく感じがした」

芥川賞作家・中村文則の処女小説を映画化した『』(11月17日公開)が、第31回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門作品として11月1日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで上映。主演の村上虹郎、広瀬アリス、武正晴監督、奥山和由プロデューサーがQ&Aに登壇した。闇へと入り込む主人公を演じた村上は「この役がピッタリだよと言われて、ちょっと複雑でした」と苦笑いしつつ、同役を演じたことは「宿命だと思いました」と語った。

村上が演じた大学生の西川トオル(村上虹郎)は、男の死体と共に放置されていた拳銃を拾い、アパートに持ち帰ってから、銃に魅了されていく。トオルを追う刑事をリリー・フランキーが、ヒロインを広瀬が演じた。

原作者の中村と、武監督は同郷(愛知県東海市出身)だったことが、作品に大きく影響したと言う村上。「僕はそこの景色を共有したうえでやっていきました。武さんから『この動きがおもしろいんじゃないか』とか『あと何秒』とか細かい間の部分の演出があり、武さんだったからこそ、トオルをあの世界で立ち上がらせることができたと思います」。

さらに「この作品で僕はずっと出ずっぱりだけど、お客さんに対してまったくサービスをしないお芝居をしましたし、日本映画でもここまでとがったお芝居のものは、なかなかないと思います。誰かがこれを求めているからじゃなくて『これがやりたい、俺は』という人たちが集まって、純度の高いものを作ろうとしました」と熱い想いを口にした。

広瀬は、村上の研ぎ澄まされた演技にうなった。「会うたびに虹郎くんがどんどん飲み込まれていく感じがして」と言い「でも、私はその波に飲み込まれちゃいけないなっていうのがあって。私は“陽”の部分をしっかり持とうと意識しました」。

武監督は、本作についてこうアピール。「この映画は銃について描いているんですが、人間が道具に支配されるってことが、僕のなかではテーマでした。この映画が海外に出て、外国の方がどのような感想を持っていただけるかが一番聞きたいことです。世界へとこの映画を広げていきたい」と力強く訴えかけた。

取材・文/山崎 伸子

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