仏実写版『シティーハンター』が超絶人気!コミコン・パリに北条司ファン殺到
フランス・パリで10月26日〜28日まで行われていた「Comic Con Paris」にて、「シティーハンター」のフランス実写リメイク『ニッキー・ラルソン(原題)』のイベントが行われた。イベントには「シティーハンター」の原作者である北条司と、『ニッキー・ラルソン』の主演・監督を務めるフィリップ・ラショーが登壇し、250席の会場に300名以上がつめかけ入場規制が行われるほどの大人気だった。
90年代、フランスでは「クラブ・ドロテ(Club Dorothee)」という番組内で「ニッキー・ラルソン」という名前で「シティーハンター」のアニメが放送されおり、冴羽獠はニッキー・ラルソンとして知られている。監督と主演を務めるラショーは、『真夜中のパリでヒャッハー!』(14)、『世界の果てまでヒャッハー!』(15)の監督・主演として日本でも知られるフランスのコメディアン。
80年生まれの彼は「クラブ・ドロテ」で世界のエンタメを体験し影響を受けた“ドロテ世代”として知られており、ラショーが自身のインスタグラムで実写版『シティーハンター』の製作を発表してから、フランスのニッキー・ラルソンファンは大騒ぎになっていた。
28日に行われたパネルは、原作者の北条とラショーが登壇し、映画についてファンの質問に答えるというもの。とはいえ、19年2月公開予定の映画本編はまだ完成しておらず、ファンの期待を煽るだけ煽るイベントとなった。完成前の映画を前日に観たという北条は「いろいろ映画化のオファーを受けていたんですが、アクションを中心においた映画が多かった。ラショーさんのアイデアは、『シティーハンター』らしいドラマが中心になり、ギャグもありお色気もあり、これぞ『シティーハンター』の世界観だと思いました」と映画化について言及。
ラショーの印象については、「映画でラショーさんを観ていたんですが、皆さんご存知のようにああいうコメディ映画ですから破天荒な人なのかなとは思わず、こういうストーリーを考える人はきっとまじめな人に違いないと思っていたのですが、やはりそのようにお見受けしました」と語る。
映画はパリ及び南仏で撮影が行われた。また、ラルソンからは、80年代アイコンとしてパメラ・アンダーソンがカメオ出演している、「Get Wild」や「FOOTSTEPS」といったアニメ版を彩った名曲も使われるという発言もあった。
北条は「すばらしいアイデアが映画の真ん中に一つの筋になっていて、それが笑いにもつながっています。私だったら“ニッキー・ラルソンの最低で最悪の危機”という副題をつけますね」とコメント。さらにラショーの人気シリーズであるヒャッハーシリーズに敬意を示し「世界の果てまでヒャッハー!」とコール。会場は大きく盛り上がったものの、「世界の〜」は邦題でありフランスでは『Babysitter』というタイトルで公開されているので、意味を完全に理解し盛り上がっていた観客は少なかったと思われる。最後に次回作について聞かれ「次はラショーさんと、冴羽獠vsキャッツアイをやりたいと思います」と北条が言うと、会場は大喝采に包まれた。
なお、日本で製作されている20年ぶりとなる新作アニメ『劇場版シティーハンター』は19年2月8日(金)に公開が決定しているが、『ニッキー・ラルソン』の日本公開は、現時点では残念ながら未定となっている。
取材・文/平井伊都子