この冬も映画ファンを唸らせる良作連発!新鋭スタジオ「A24」が注目され続ける理由
2012年に設立されたアメリカの「A24」は、わずか数年でアカデミー賞ノミネート作を次々と輩出している、いま最も勢いがあるといっても過言ではない気鋭の映画製作スタジオだ。ブリー・ラーソンが第88回アカデミー賞主演女優賞を獲得した『ルーム』(15)を皮切りに、翌年の第89回アカデミー賞で作品賞をはじめ3冠に輝き、日本でも大ヒットを記録した『ムーンライト』(16)や、第90回アカデミー賞で作品賞、主演女優賞など主要5部門にノミネートされた『レディ・バード』(17)など、コンスタントに良作を生みだし、ここ数年で日本の映画ファンにも知られる存在となった。では、「A24」のなにがここまで支持されているのだろうか?
若い層も取り込む、幅広いジャンルをカバーした作品選び
ほかに手掛けた作品は、カルト的な人気を誇るハーモニー・コリンを監督に起用した『スプリング・ブレイカーズ』(12)や、第88回アカデミー賞視覚効果賞を獲得したSFスリラー『エクス・マキナ』(15)、27歳の若さで急逝したイギリスの歌姫、エイミー・ワインハウスの半生に迫ったドミュメンタリー『AMY エイミー』(15)など。アート系のエッジの効いた作品から、SF、ドキュメンタリーといった幅広いジャンルをカバーするバリエーション豊かな作品群は、世界中の映画ファンから熱い注目を集め、また、SNSを多用するなどの独自の宣伝方針によりカルチャーに敏感な若者たちの心もガッチリとつかんでいるのだ。
映画界に驚きと波紋を呼ぶ、話題作を次々と発表!
そんな要注目の「A24」作品が、今秋、ここ日本で立て続けに公開されている。10月にはアンドリュー・ガーフィールドを主演に迎えた都市伝説サスペンス『アンダー・ザ・シルバーレイク』が公開され、11月には“国連史上最悪の政治スキャンダル”と呼ばれた汚職事件をモチーフにした『バグダッド・スキャンダル』も上陸。
そして11月17日(土)には、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(16)のケイシー・アフレックと『キャロル』(15)のルーニー・マーラをキャストに迎え、各国の映画賞でも話題となったファンタジードラマ『A GHOST STORY/ア・ゴースト・ストーリー』が公開される。本作は、アメリカ・テキサスの郊外を舞台に、交通事故で亡くなった夫と、残された妻の日々を穏やかなトーンでつづっていく。悲しみにくれる妻をルーニー・マーラが演じ、交通事故で亡くなり、白いシーツを被った幽霊となって妻を見守り続ける夫を、ケイシー・アフレックが演じる。幽霊になっても、変わらぬ妻への愛を貫き続ける夫の存在は“白いシーツの幽霊”という一見シュールな姿も相まって、深い夫婦愛と、不思議な余韻を見るものに残してくれる感動作だ。
さらにこの後は、極限状態の精神を蝕む心理スリラー『イット・カムズ・アット・ナイト』(11月23日公開)や、ある家族を襲う恐怖を緊張感あふれる映像で描いたホラー『へレディタリー/継承』(11月30日公開)など、すでに全米で公開され、批評家や映画ファンの度肝を抜いた話題作が続々上陸予定。今後もアカデミー賞をはじめ、映画界の台風の目となりそうな「A24」作品から目が離せそうにない。
文/トライワークス
11月21日発売
価格:3,990円+税
発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント
■『AMY エイミー』
Blu-ray 発売中
価格:4,743円+税
発売元:KADOKAWA
販売元:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント