アカデミー賞の最重要前哨戦を制した、ピアニスト×運転手『グリーンブック』、日本公開決定!
『メリーに首ったけ』(98)などコメディ映画の名手として知られるファレリー兄弟の兄ピーター・ファレリーが単独でメガホンをとった、実話に基づくヒューマンドラマ『グリーンブック』が2019年3月1日(金)から日本公開されることが決定した。
物語の舞台は人種差別が根強く残る1962年。ニューヨークのナイトクラブで用心棒を務めるトニー・リップは、ある日“神の域の技巧”を持つという天才黒人ピアニスト、ドクター・シャーリーのコンサートツアーの運転手として雇われる。2人は黒人用旅行ガイド“グリーンブック”を頼りに、黒人にとって制約と危険の多い南部を目指し、ツアーへと出発することに。
腕っぷし抜群で、ガサツで無学なイタリア系用心棒トニーを演じるのは『はじまりへの旅』(16)で第89回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたヴィゴ・モーテンセン。そしてドクター・シャーリーを演じるのは『ムーンライト』(16)で同年のアカデミー賞助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリ。2人の名優が正反対のバディを抜群のコンビネーションで演じ抜く。
今年のトロント国際映画祭でお披露目され最高賞にあたる観客賞を受賞した本作。同映画祭の観客賞受賞作は『ラ・ラ・ランド』(16)や『スリー・ビルボード』(17)など、過去10年間でアカデミー賞へのエントリー資格を持つ9作品すべてがその年のアカデミー賞作品賞にノミネートされ、3作品が頂点に輝くなど、最も重要な前哨戦として知られている。
一躍アカデミー賞レースの大本命に躍りでた本作は、作品賞のみならずヴィゴとマハーシャラの演技賞や、監督賞と脚本賞など、複数の部門を席巻すると大きな期待を寄せられている。29年前にアカデミー賞作品賞に輝いた名作『ドライビング・MISS・デイジー』(89)を彷彿させる人種を超えた友情の物語に、きっと日本中が笑顔と感動に包まれることだろう。
文/久保田 和馬