レディー・ガガが女優業への意欲を語る!「私を前進させ続けてくれる経験」
俳優として、これまでアカデミー賞に3度ノミネートされているブラッドリー・クーパーが初めてメガホンをとり、往年のシンデレラストーリーを再映画化した『アリー/ スター誕生』(公開中)。本作で映画初主演を飾り渾身の演技を披露したレディー・ガガは、ゴールデン・グローブ賞主演女優賞<ドラマ部門>にノミネートされるなど、熱烈な評価を集めている。世界的歌姫でありながらら、18年を代表する女優の1人に数えられるまでに至った心境についてガガは「本当にうれしい。とても光栄です」と語る。
「アカデミー賞にノミネートされたら、それは最高に素敵なこと。だけど私は、この映画を作るという経験をさせていただいただけで、もうご褒美はいただけたと思っています」。劇中でガガは、歌手になる夢を追いながら場末のバーで歌う日々を送るアリーを演じている。彼女は世界的ロックスターのジャクソン(ブラッドリー)と出会い、その才能を見出されたことをきっかけに、スターへの階段を登りはじめていく。
これまでも『マチェーテ・キルズ』(13)や『シン・シティ 復讐の女神』(14)などに女優として出演した経験のあるガガが本作に抜擢されたのは、まさに劇中のアリーとジャクソンの出会いさながらの経緯があったという。「私がショーン・パーカー主催のチャリティイベントで歌った時、ブラッドリーが観客として来ていたの。翌日彼は私に電話をくれて、この映画の話をするために私の家まで来てくれたのです」。
そしてすぐに意気投合した2人は、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルの「ミッドナイト・スペシャル」をデュエット。ブラッドリーの強い情熱に心動かされたガガは「彼と一緒にこの映画を作りたいと思った」とのことで、スクリーンテストを経てアリー役を勝ち取ったのだとか。「私は歌手よりも先に女優になりたかった。つまりその夢が叶ったということ。そして私には、ブラッドリーという最高の道案内人がついてくれていた」と、ブラッドリーとの強い信頼関係をうかがわせた。
過去にはジュディ・ガーランドやバーブラ・ストライサンドがヒロインを演じてきた、この“A STAR IS BORN”という物語。ジュディもバーブラも女優と歌手の両面で高い実績を築きあげてきた、ガガにとって大先輩と呼べる存在だ。「私も両方をやっていきたいと思ってる。演技が大好きだから、これからももっと演技をやっていきたいけど、音楽も、もっともっとやっていきたい。だって音楽は私の情熱だから」と力強く語る。
そして「このアリーという人物を演じるために、とても深く自分自身を見つめ直したと思います。私自身の人生経験から多くを引き出して役に臨みました」と振り返り「だから次に何をしようとも、歌手としても女優としても、この映画で学んだすべてのことは私とともにあり続ける。今後も私を前進させ続けてくれる経験だと思います」。映画初主演という大きな転機によって、今後レディー・ガガという存在が、あらゆる面でさらに進化していくことは間違いないだろう。
文/久保田 和馬