来年のアカデミー賞は『ソーシャル・ネットワーク』!? 圧倒的注目度で記者会見にメディア殺到|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
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映画ニュース 2010/9/30 10:39

来年のアカデミー賞は『ソーシャル・ネットワーク』!? 圧倒的注目度で記者会見にメディア殺到

9月24日から開催されている第48回ニューヨーク映画祭のオープニングナイトに先駆け、デヴィッド・フィンチャー監督最新作『ソーシャル・ネットワーク』(全米10月1日公開、日本2011年1月15日公開予定)の記者会見が24日、ウォルター・リード・シアターで行われた。

同作は、2004年ハーバード大学在学中にフェイスブックを立ち上げ、弱冠26歳で巨万の富を築き上げた時代の寵児マーク・ザッカーバーグを取り巻く人間関係を、2つの訴訟を通じて描いたドラマ。ツイッターと並んでコミュニケーションツールに革命を起こし、今や世界最大のSNSとなったフェイスブック人口は、世界207ヶ国で5億人に達しており、近代映画の最前線をいく話題作として、またアカデミー賞の呼び声も高い良質の作品として、辛口のニューヨーク・タイムス紙など多くのメディアから注目されている。

メディアの熱狂ぶりに、この日のゲストは最後まで明かされなかったが、事前から200席以上の試写会場は満席になることが予想され、朝9時からの試写に7時前から列を作る盛況ぶり。10時からの試写を追加するという、同映画祭初の異例の対応に迫られることに。期待通り、フィンチャー監督と脚本家のアーロン・ソーキン、第2のビル・ゲイツと呼ばれ、最年少で億万長者になった主人公のマークを演じるジェシー・アイゼンバーグ、新スパイダーマンに決定し、マークの元親友でマークの裏切りで訴訟を起こした同級生エドゥアルド・サヴェリン役に扮したアンドリュー・ガーフィールド、そしてナップスターの創始者で、フェイスブックの共同設立者ショーン・パーカーを演じたジャスティン・ティンバーレイクの豪華キャストが勢ぞろいした。

ベン・メズリック著作の「The Accidental Billionaires」を基にした同作は、現役の人物やストーリーを描いていることが最大の関心事になっており、ノンフィクションの中にフィクションのテクニックを織り交ぜた手法として物議を醸し出しているが、フィンチャー監督は「フェイスブックは人の肩越しに見かけただけで、アカウントも持っていないし知識もなかったが、フェイスブック設立に携わった人物たちに興味を持った。いろんな視点から見た人間ドラマを描けると思った。この作品は伝記映画だけれど、ただの伝記映画とは違う」と強調。アイビーリーグの名門ハーバード大学の学生たちが繰り広げる数々のセクシャルなイベントなどにも質問が及んだが、脚本家のアーロンは「オリジナルの著作を基に数々の綿密なリサーチを重ねたが、実際にまったく違った3パターンのエンディングを用意したことからもわかるように、あくまでドキュメンタリーではなく映画。伝記映画『クイーン』(06)の脚本家ピーター・モーガンが実際にエリザベス女王とベッドを共にしたかと言われれば、答えはノーだ。それが映画の脚本というものだ」と語った。

このようなスタンスで描かれた脚本を基に、ジェシー、ジャスティン、アンドリューはどのように実在の人物を演じたかについては「脚本には、彼らのことを知るのに十分すぎる情報があったし、フィンチャー監督からもたくさんのアイデアやアドバイスをもらった」と口をそろえる。

エドゥアルドを演じたアンドリューは、「僕は泥酔したことがないので(笑)、酔っ払いの顔を研究するためにも、実在の人物の写真とかを見るのは勉強になったよ。でも、今もこの地球で息をしている実在の人物を演じるのは本当に責任を感じた。だから極力彼に対して中立の立場をとって演じたつもりだ」と話した。

大いに同感していたジェシーとジャスティンだが、人権や著作権侵害など法に触れる手法でトップの座に上り詰めた、むしろ世間の嫌われ者と言っても過言ではないマークとショーンを演じたため、さらに心境は複雑だったよう。しかしジェシーは、「どんどん彼に興味がわいてきたのでスピーチとか映像を見て研究したけど、基本的には自分の主観は入れたくないと思い、脚本通りに演じたよ。コミューケーションツールを発見したにもかかわらず、皮肉にも彼は人とのコミュニケーションが得意じゃなくて最後まで孤独だったから、人々からあまり共感されないんだと思う。実際に5ヵ月半も彼を演じていて、何の感情移入もなかったと言われれば嘘になる」とコメント。

またジャスティンも、「ショーンはいわゆるヒーローじゃない。でも人々が共感できないような人物を演じることができるのが、映画の醍醐味だと思うんだ。僕の俳優友達が出演した映画について、『作品中のどのキャラクターにも賛成しないけれど、反対もしない』と言ったんだけど、まさにその境地だ」と語っており、3人とも役者として実在の人物の人権を守ることに多大な責任を感じながら演じたようだ。

最後にこの物語の軸となるフェイスブックについて聞かれ、ジェシーは「この作品のリハーサル初日に勉強のためにサインしたが今は使っていない」と答えたが、反対にユーザーだったアンドルリューは「自分にとってよくないと思い使用をやめてしまった」とか。ジャスティンは「パーソナルアカウントは持ってないよ。時間もないしね。でも例えば子供の医療費を短期間でいろんな人から募りたいとかいう時には、とても良いツールだと思う」と、ユーザーや関係者に配慮する一面ものぞかせた。大きな社会現象をとらえた作品だけにまじめな質疑応答が多かったが、それぞれ個性的な3人が大物俳優への予感を感じされてくれる記者会見となった。【NY在住/JUNKO】

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