Netflixの2018年を締めくくる『バード・ボックス』に潜む“真の恐怖”とは?

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Netflixの2018年を締めくくる『バード・ボックス』に潜む“真の恐怖”とは?

『ROMA/ローマ』(配信中)をはじめ数多くの話題作が配信された18年のNetflixオリジナル映画を締めくくる作品として、12月21日から全世界同時配信が開始された『バード・ボックス』(配信中)が、はやくも世界中を未曾有の恐怖で包み込んでいる。このたび主人公のマロリーを演じたサンドラ・ブロックが本作に隠された“真の恐怖”について明かしてくれた。

ある日突然訪れた世界の終焉と人類滅亡の危機を前に、大混乱に陥る人々の姿を描いた本作。幼い子どもたちを守ろうとするマロリーは、生き残るために“それ”を見てはいけないと知り、目隠しをして決死の逃避行を始めることに。アカデミー賞外国語映画賞を受賞したデンマーク出身の女性監督スサンネ・ビアと、ハリウッド実写版『君の名は。』の脚本家エリック・ハイセラーがタッグを組んだことでも注目を集めている。

劇中の冒頭で、突如として原因不明の集団パニックに襲われるマロリーたち。いつもの街並みが一変してしまう中で、マロリーは幼い命を守るために母として成長していく。そんな本作についてサンドラは「人間が持つ未知のものへの恐怖、そして目で見ることのできない恐怖という2つの恐怖を見事に引き出しています」と明かす。「脅威が目に見えず、正体がわからないと、人は次第に自分の内面に目を向けるようになる。自分の目で見てその正体を推測できるエイリアンやクリーチャーよりも、そちらの方がはるかに恐ろしいんです」。

また本作のプロデューサーであるクリス・モーガンも「この映画は私たちの内にある原始的な部分を呼び覚まします。私たちは画面を凝視し、視覚情報を処理する。だからこそ現代社会で突然視界を奪われることは真の試練であり、原始的な人間性が重要になってくるのです」と、主人公たちが“目隠し”をすることで、原始的な恐怖心を呼び起こす作品であることを明かした。

謎のパニックやディザスターホラーとしての要素の奥に潜んだ、人間の内面に潜んだ“真の恐怖”。アカデミー賞女優であるサンドラをはじめとした実力派キャストたちの渾身の演技を通して、視聴者はそれを目の当たりにするだろう。極限の状況で繰り広げられる緊迫感とドラマ性に富んだ本作を、決して目を背けることなく見つめ続けてほしい。

文/久保田 和馬

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