モダンな洋服に、洒落た和装まで… 明治・大正ファッションがカッコいい!
北原白秋と山田耕筰の2人によって生み出された“日本の童謡”。その誕生100年を記念した映画『この道』が、本日1月11日より公開中。明治・大正時代を舞台に、いかにして今なお歌い継がれる名曲が出来上がっていったのかを描いた本作には、当時の雰囲気が伝わってくる華やかなファッションも多数登場する。
大森南朋が自由奔放な天才詩人の北原白秋に扮し、EXILEのパフォーマーとしても活躍するAKIRAが西洋音楽を日本に持ち込んだ秀才音楽家の山田耕筰を演じている本作。白秋を物語の中心に据え、キャリアの絶頂から女性関係による名声の失墜、そして耕筰との出会いを描き、ドイツから伝わったメロディに日本の詞を乗せた“ドイツ童謡”しかなかった時代に、いかにして日本の童謡が誕生したのかを描いていく。
西洋からの文化が到来し、文明開化を迎えた明治とその後の大正時代を主な舞台にしており、登場人物も洋服と和服の両方を着用。華やかなものが多く、白秋と不倫関係にあり、後に1番目の妻となる松下俊子(松本若菜)は、うっすらと柄が施された光沢がかった赤が眩しいドレスとフェルト生地の赤い帽子、さらにはイヤリングやネックレスに指輪とアクセサリーまでバッチリという、艶っぽくも気品あふれる華やかな出で立ちに。
また和装もカラフルでモダンなものが多く、白秋の友人である与謝野晶子(羽田美智子)は、朱色と黒のストライプというなんとも洒落た模様から、花が全面にあしらわれた奥ゆかしいものまで上品な佇まいに。また白秋の3番目の妻となる菊子(貫地谷しほり)も控えめな薄い橙色のチェック柄など、垢抜けた印象を受ける着物を身にまとっている。
一方、男性陣の服装もストライプ柄のスーツに、ノーカラーのシャツにチェスターコート、蝶ネクタイにハットなど、色気とスマートさを両立させたスタイリッシュなものとなっている。
童謡誕生の裏側はもちろん、当時の雰囲気を感じられる細かな装飾、衣装などに注目してみても作品を十分に楽しめるだろう。
文/トライワークス