木村拓哉が語る、『マスカレード・ホテル』撮影秘話。東野圭吾、長澤まさみ、松たか子とのエピソードとは?
東野圭吾の推理小説「マスカレード」シリーズの1作目を実写映画化した『マスカレード・ホテル』(1月18日公開)で主演を務めた木村拓哉を直撃。「HERO」シリーズの鈴木雅之監督の下、初共演の長澤まさみ、何度も共演してきた松たか子ら豪華キャストが集結した本作で、木村は満を持して初の刑事役に挑んだ。
とはいえ、木村が演じたエリート刑事・新田浩介は、ホテルのフロントクラークを装い、予告連続殺人事件の潜入捜査をするという役どころ。ステレオタイプの凄腕刑事というよりは、不慣れな新米ホテルマンとして大奮闘していくこととなる。長澤は、新田の教育係を命じられる優秀なフロントクラーク・山岸尚美役を演じた。
「撮影現場に東野圭吾さんがいらっしゃるってことは、デート中に親が見に来るのと同じこと」
木村にとっては勝手知ったる鈴木組だが、オープンセットに足を踏み入れた際、鈴木監督の並々ならぬ意気込みを感じ取ったという。
「東野作品を実写化するにあたり、鈴木監督は相当の責任やプレッシャーを感じられたに違いないですが、そういうことを現場に持ち込むような方ではないです。ただ、東宝の1番でかいスタジオに作られたホテルのロビーを見た時は、ちょっとただならぬものを感じました。自分もいろいろな作品をやらせてもらっていますが、あの規模のセットはなかったので。また、本作に参加してくださったキャストのみなさんにも感謝しています」。
原作者の東野圭吾とは、現場で初対面したという木村。「作品に性別はないのかもしれないけど、仮に本作の親が東野圭吾さんだとすれば、『いま、(娘さんと)お付き合いをさせてもらっています』という感じですよね。だから、撮影現場に東野さんがいらっしゃるってことは、デート中に親が見に来るのと同じこと。ちゃんとしたおつき合いであれば、こそこそ隠れる必要はないだろうとは思っていましたが、やっぱり緊張しました(苦笑)」。
東野の印象については「御本人にお会いするまでは、すごい堅物のような方をイメージしていました。でも、実際にお会いすると、とても温かいお人柄の方でした」と、その人柄に安堵したようだ。
映画のクランクアップ後、東野の口から語られたのは、小説の連載時、新田を描く際に木村を思い浮かべていたという驚きの内容だった。木村は、本作の試写を、東野と共に鑑賞したそうで「ご本人のリアクションがすごく気になりましたが、終わってから『新田がいました』と言っていただけたので、ほっとしました」と胸をなでおろしたそう。