門脇麦と吉田志織、体当たりで挑んだ『チワワちゃん』の撮影秘話
岡崎京子の同名コミックを実写映画化した『チワワちゃん』(1月18日公開)で共演した門脇麦と吉田志織。『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY-リミット・ オブ・スリーピング ビューティ』(17)の俊英・二宮健監督がメガホンをとった本作で、2人は青春時代特有のエネルギッシュな輝きと、その終焉に待ち受ける残酷な罠の両方を体現した。
東京湾バラバラ殺人事件が起こり、その被害者の身元が、人気モデルの“チワワちゃん”(吉田志織)だと判明する。学生時代の友人・チワワについて、雑誌の取材を受けたミキ(門脇麦)は、学生時代の仲間たちにチワワの話を聞きにいく。
90年代の物語を、二宮監督自らの脚本で現代にシフトさせた本作。岡崎作品特有のナイフのようなキレ味はそのままに、二宮監督ならではの流麗なカメラワークと音楽センスが冴える作品に仕上がっている。
門脇は、出世作『愛の渦』(14)でも仕事をした岡田真プロデューサーからオファーをもらったあと、二宮監督の脚本を読んで出演を即決。『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』も観に行ったそうだ。「すごく新しい手法の映画で、最後にグッとくるものがありました。とてもおもしろかったです」。
吉田は以前から岡崎京子の大ファンだったので、オファーを喜んだ。「体を張るシーンもあり、怖さもありましたが、それを超えるくらい岡崎京子さんが好きだったので、うれしいという気持ちのほうが勝っていました」。
体当たりのラブシーンへの挑戦
タイトルロールを演じた吉田は、ここまでの大役は初となり、体当たりのラブシーンにも初挑戦した。現場では、先輩である門脇の気遣いが心に染みたと言う。
「激しいシーンの前日に、門脇さんのほうから『大丈夫?きつくなったら言ってね』と声をかけてくださったんです。女性だからこそわかってくださる部分もあったと思うし、その言葉だけでも本当に助かりました。カメラが回っているときは、チワワとしているので平気でしたが、1人の時間になると、少し気持ちが削られていくのも感じたので、本当にありがたかったです」。
今回、主要キャストが2人のほか、成田凌、寛 一 郎、玉城ティナ、村上虹郎というフレッシュな若手俳優陣だったので、門脇は二宮監督から、少し演出よりのサポートも求められた。
「ミキという役柄が、みんなを俯瞰で見ている役だったから、私にもそういう立ち位置でいてほしいと言われました。同世代の役者がこれだけ集まりましたし、監督と役者の『パイプになってほしい』という意味だったのではないかと。ミキは主役であれど、主役でない存在で、縁の下の力持ちみたいな役だったので、それは私も演じる上で助けになりました」。
深夜に及ぶ過酷な撮影も多かったという本作。門脇が「クラブや海などでみんなと騒ぐシーンは、命を削って遊んでいるという感じでした」と言うと、吉田も「朝から爆音で音楽を聴いてから入らないと、ついていけない時もありました。でも、チワワが楽しいと思っていないと作品が成立しないので、常にハイでした」と撮影を振り返った。
門脇は「みんな助けられていたと思います。志織ちゃんが、いつも楽しそうで輝いていて。『志織ちゃんが頑張っているから、みんなも頑張ろう』という感じでした」と吉田を心からねぎらう。
「吉田志織 in チワワちゃん ビジュアルブック」
岡崎京子の原作を映画化した『チワワちゃん』のチワワちゃん役を熱演し、話題を呼んでいる女優・吉田志織。初のビジュアルブックは、彼女が体当たりで魅せた過激なシーンから自由奔放な魅力が弾けるシーンの数々に加え、貴重なメイキングショット、素顔に迫った撮り下ろしフォトと独占インタビューを掲載。映画が持つ鮮やかな世界観の中で、チワワちゃん=吉田志織をたっぷり楽しめる一冊です!
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