三上博史が14年ぶりに映画主演!「活き活きと“クソ野郎”を演じさせていただきました」
数々の映画やドラマで活躍する俳優・三上博史が『予言』(04)以来となる映画主演を務めた『LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て』(1月18日公開)のスペシャル・プレビュー&トークイベントが15日にスペースFS汐留で開催。三上を筆頭に酒井若菜、三浦萌、宅間孝行監督が登壇した。
本作は歌舞伎町のラブホテルを舞台にしたワンシチュエーションの密室群像劇。警察官の間宮(三上)が部屋にビデオカメラをセットして、勤務中にもかかわらずデリヘル嬢の麗華(三浦)とお楽しみ中のところに、間宮の妻で警察官の詩織(酒井)が踏み込んでくる。取り乱した間宮は麗華を銃で射殺してしまい、死体処理のために売人のウォンを呼び隠蔽を図ろうとするのだが、そこにデリヘルのマネージャー小泉が麗華を探しにやってきてしまう…。
演劇プロジェクト「タクフェス」の主宰者であり、俳優・脚本家・演出家として活動する宅間監督は、ワンシチュエーションという舞台設定に長回し撮影というチャレンジングな作風について「いま日本映画が堅苦しいなと思っていて、制作費が大きい映画だといろんな制約が出てくる。でも低予算ならクリエイティブでやりたいことにチャレンジができる」と演出家としての並々ならぬ想いを本作に込めたことを明かす。
一方、主人公・間宮を演じた三上も「演者にとっては世知辛い世の中だなと思うところがあって、できるだけハミ出そうという気持ちでやってきたのですが、どうしても取り込まれて息苦しくなってしまう」と宅間監督と同様に、現在の映画界やテレビ界への想いの丈を語る。そして「できるだけハミ出していけるところには積極的に参加していこうというのが僕の性分なので、活き活きと“クソ野郎”を演じさせていただきました!」と、意気揚々とコメント。
そんな三上は「具体的には40何分かのカットが2つで、ミスしたら一からやり直し」の撮影現場を「綱渡り状態だった」と振り返る。撮影を乗り切った秘訣について、撮影前に行ったという約2週間にわたる稽古と出演者同士がサポートし合って家族以上の絆で結ばれていたことが大きいと明かした。「このテンションを何回もできるものはないので、とにかくみんな助け合ってやっていました」と、共に撮影を乗り切った共演者の顔を見渡す三上。
そして「宅間さんは役者でもあるので、役者というものの生態をよく知っていてどうやれば武器になるかもわかっている。これは宅間さんに仕組まれたなって思っています」と笑い、本作をこれから観る人へ向けて「役者を観察するにはもってこいの映画だと思います。脚本にはトラップがいっぱいで、そこら辺も楽しんでいただけたらいいなと思います!」と見どころを語った。
取材・文/久保田 和馬