【今週の☆☆☆】シャマランらしいツイストに満ちた『ミスター・ガラス』、“青春の悪あがき”『チワワちゃん』など週末観るならこの3本!
Movie Walkerスタッフが、週末に観てほしい映像作品3本を(独断と偏見で)紹介する連載企画。2019年の年始を彩る話題作が続々と劇場公開される、1月18日(金)から今週末にかけて、映画ライターたちが“熱く推す”、予想外の展開が待ち受けるあの監督の作品から、普遍的な青春を描いた邦ドラマまで、バラエティ豊かな作品をピックアップ!
予想を裏切る刺激や驚きに「なんだこりゃ?」『ミスター・ガラス』(1月18日公開)
シャマラン監督は独特のトリッキーな作風のせいで数々の誤解や批判にさらされてきた。今回もきっと同じ反応が起きるだろうが、シャマランは正しいと全肯定したい。本作は『アンブレイカブル』(00)と『スプリット』(16)のキャラクターが再登場する完結編。人並外れたパワーを持つ3人の主人公が精神病院に収容され、「スーパーパワーなんて存在しない」と説得される――という物語はいかにもシャマランらしいツイストに満ちている。そしてシャマランは巧みなミスリードで観客を思いもよらぬところへと連れて行く。「なんだこりゃ?」と戸惑う人もいるだろう。しかし予想を裏切る刺激や驚きこそがシャマラン映画の王道。どうか先入観を捨ててシャマラン・コースターに乗ってみてほしい!(映画ライター・村山章)
今日的なリアリズムに裏打ちされたエンタメ作『マイル22』(1月18日公開)
実話ベースのアクション映画で知られるマーク・ウォールバーグとピーター・バーグ監督コンビの最新作は、東南アジアの某国で情報提供者を護衛するCIAを描いたスパイ・アクション。銃撃戦やカーチェイス、格闘戦など全編アクションずくめだが、驚かされるのが現場を支援する戦略チーム〈マザー〉の活躍だ。ドローンからの赤外線撮影で建物の中を透視したり、街中の防犯カメラに基づく逃走ルートの確保、ハッキングによる信号機の操作など、テクノロジーを駆使して秒刻みの情報戦を展開。ストーリーはフィクションだが、マザーは実在するCIAの秘密部隊をモデルにし、関係者がコンサルタントを務めており、今日的なリアリズムに裏打ちされたエンタメ作となっている。(映画ライター・神武団四郎)
誰もが身に覚えのある“青春の悪あがき”を捉えた『チワワちゃん』(1月18日公開)
岡崎京子の短編コミックを、舞台を現在に移して映画化。バラバラ殺人の被害者となった仲間の“チワワ”。その死をきっかけに、思い出を語る仲間たちだが、チワワの本名も素性も知らぬままつるんでいたことに気づき…という青春ドラマ。主人公ミキ役の門脇麦を筆頭に、旬の俳優たちが“いい味を放って”ズラリ勢揃い。中でもチワワを演じた新人・吉田志織の放つ“何ものをも恐れず、今を駆け抜ける”溌溂とした魅力が大爆発!91年生まれ、若き27歳の二宮健監督だからこそ、下手に時代設定に囚われず、誰もが身に覚えのある“青春の悪あがき”の普遍性を捉えて、心をザワつかせてくれるのだろう。ちょっと切なく胸が疼く、青春の残滓を心ゆくまで堪能できる。(映画ライター・折田千鶴子)
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週末に映画が観たいけど、どの作品を選べばいいかわからない…という人は、ぜひこのレビューを参考にお気に入りの1本を見つけてみて!
構成/トライワークス