瑛太が“ハリウッドを目指さない”宣言!?時代劇を背負って立つ俳優へと意気込む
「時代劇の灯を消すな」をスローガンに本格的な時代劇作品を世に送り出してきた「時代劇専門チャンネル」の開局20周年を記念して製作された『闇の歯車』が2月9日(土)に放送されるのに先がけ、本日19日より全国5大都市を中心に期間限定で劇場公開。その公開初日舞台挨拶が丸の内TOEIで開催され、瑛太と緒形直人、山下智彦監督が登壇した。
『たそがれ清兵衛』(02)など、多くの著書が映画化・ドラマ化されている作家・藤沢周平が人間のダークサイドに切り込んだサスペンス時代小説を映像化した本作。江戸・深川を舞台に、謎めいた男の呼びかけで集められた4人の男たち。彼らがねらうのはある商家に眠る700両の大金を強奪すること。しかしその事件をきっかけに、彼らの運命の歯車が徐々に狂いはじめていくことに…。
登壇予定だった橋爪功が体調不良で欠席ということに心配そうな表情を浮かべた瑛太。それでも橋爪から瑛太に宛てた「行けなくて申し訳ない。こちらの想像を超えてくる芝居に気持ちよく乗せてもらいました。また時代劇で一緒にやりたい」というメッセージが代読されると「うれしいです。初めての共演でたくさん勉強をさせてもらいました」とにこやかに撮影を振り返る。
本作では橋爪や緒方のほか、大地康雄や中村嘉葎雄らベテラン俳優が集結。「現場ではいつも共演者の方々に質問攻めをしていましたね」と明かす瑛太に「ここでは話せないようなことも多々ありました」と笑う緒方。「瑛太はいつも自然体で、着流しとカツラが似合うし本当に色気がある。時代劇が本当に似合っているから、若かりし頃の高倉健さんのように、時代劇を引っ張っていってもらいたいなと切に願っています」と、瑛太の演技を絶賛した。
また瑛太は、劇中の壮絶なクライマックスシーンについてどんな想いで演じたのか訊ねられると「台本を読んだ時から自分で決めつけることなく、相談しながら時間をかけて撮っていった」と明かし、ラストシーンに関しても「何パターンか撮るのはどうですか?と僕から提案したのですが、本番が始まると一発OK。僕が演じた佐之助が死を選んだのか生きることを選んだのかは、お客様に委ねたいと思います」と述べる。すると監督は笑いながら「あまりにも良すぎていてBパターンを撮るのを忘れていました」と衝撃の告白で会場を沸かせた。
先輩俳優につづいて数多くの時代劇を手がけてきた名匠・山下監督からもその時代劇センスを褒められた瑛太は「今後日本人として、誇りを持って時代劇をできる俳優になっていきたいと、今回強く感じました。技術なのか心なのかわからないですけど、時代劇をもっともっと楽しんでもらえるエンターテインメントにしていけたらなと思います」と力強く抱負を語り「なので僕は、英語を勉強してハリウッドを目指すとか、そういう考えはありません」と宣言。会場は温かい拍手と同時に爆笑に包まれた。
取材・文/久保田 和馬