サンダンス映画祭開幕!ロバート・レッドフォードが映画祭の顔から引退を表明
現地時間の1月24日、ユタ州パークシティで第35回サンダンス映画祭が開幕した。開幕に先駆けて行われた記者会見では、これまで映画祭の創設時から同映画祭の顔としてフロントに立ってきたロバート・レッドフォードが引退を表明。現在、82歳のレッドフォードは、映画『The Old Man and The Gun(原題)』(夏公開)を最後に俳優業からの引退も表明しており、「僕は34年間ずっとこの開幕スピーチをやってきたけれど、新しい方向に進む時が来た」と述べた。
「この数年間、映画を観て映画制作者たちと過ごす時間を取るのが難しくなっていて、その時間を懐かしんでいたんだ。サンダンス映画祭はもう僕の説明が必要ないくらいに育っている。みんな、今年もサンダンスに来てくれてどうもありがとう。そして、寒いなか僕らを誘導してくれるボランティアのみなさんに拍手を」と語り、サンダンス映画祭を運営するサンダンス・インスティテュートのケリー・プトナム代表にマイクを譲った。
1978年に、レッドフォードが住んでいたユタ州に映画関係者を集めるため設立されたサンダンス・インスティチュート。以来、映画祭の顔として、新しい映画作家の発掘とインディペンデント映画の振興を後押ししてきた。サンダンスが生んだ映画作家には、クエンティン・タランティーノ、スティーヴン・ソダーバーグ、デイミアン・チャゼルなどがおり、サンダンスで発掘された作品が口コミで評価を得て、1年をかけてアカデミー賞まで上り詰める“下克上”が本映画祭で上映されるインディペンデント映画の醍醐味だ。
今年のサンダンス映画祭は、デンマークのスサンネ・ビア監督が『アフター・ウェディング』(06)をリメイクしたジュリアン・ムーア、ミシェル・ウィリアムズの主演作『After The Wedding(原題)』がオープニング上映を飾り、日本からは長久允監督の『ウィーアーリトルゾンビーズ』(6月公開)がワールド・シネマ・ドラマ部門にてワールドプレミアとなる。また、サンダンスで発掘され世界的大ヒットとなった『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』(98)の記念上映も行われる。
取材・文/平井伊都子