東出昌大ら豪華ゲストが第40回ヨコハマ映画祭に登場。山崎努は亡き樹木希林との秘話を語る
第40回ヨコハマ映画祭の授賞式が2月3日に関内ホールで開催され、豪華ゲスト陣が舞台挨拶に登壇。『寝ても覚めても』(18)で主演男優賞を受賞した東出は「主演は受け芝居だと言われています」と言って共演者やスタッフに感謝した。これまでの功績を称えられ、特別大賞を受賞した山崎努は、スタンディングオベーションで迎えられたなか、 『モリのいる場所』(18)で妻役を演じた故・樹木希林との思い出を語った。
東出は「主演は、人間的成長が描かれることが多いです。共演の方々がしゃべる台詞や、台本などの影響を受け、最後まで演技を続けることが主演だと思うと、周りの方々の影響を現場で受けられたから、こういう賞をいただけたのかなと」と謙虚なコメントをして会場を沸かせた。
東出と『寝ても覚めても』で共演し、助演女優賞を受賞した伊藤沙莉は、東出について「幻想的」、同作で最優秀新人賞を受賞した唐田えりかは「なにを考えてるかわからない」と言うと、東出は苦笑い。伊藤が「わかった!ミステリアスだ。みんなを引っ張っていってくれました」とコメントし、会場の笑いを取った。
また、特別大賞を受賞した山崎努は「すばらしい人物を演じることができて大変うれしく思っています。こんな立派な賞をいただいて、もう言うことはありません。妻役を演じた(樹木)希林さんがいてくれたら、きっと喜んでくれただろうと。それだけが残念です」と語り、会場から拍手が湧き起こった。
さらに、現場での樹木について「なにからなにまで自分1人でやる人。現場にも自分で運転してきて、アシスタントもつけずにやってました。クランクイン前から、具合が悪いと聞いていて、心配してたんですが、逆に暑い盛りの炎天下で僕が熱中症みたいになりまして。希林さんが介抱してくれたりして。いなくなって残念です」と故人を偲んだ。
最後に、山崎と、主演男優賞受賞者の役所広司、東出、助演男優賞受賞者の松坂桃李という日本映画界を牽引する4ショットでのフォトセッションが行われ、会場は歓喜に包まれた。
【第40回ヨコハマ映画祭 2018年日本映画個人賞】
■作品賞:『寝ても覚めても』濱口竜介監督
■監督賞:濱口竜介『寝ても覚めても』 監督賞:瀬々敬久『菊とギロチン』『友罪』『8年越しの花嫁 奇蹟の実話』
■森田芳光メモリアル新人監督賞:野尻克己『鈴木家の嘘』
■脚本賞:沖田修一『モリのいる場所』
■撮影賞:佐々木靖之『寝ても覚めても』『体操しようよ』
■主演男優賞:東出昌大『寝ても覚めても』
■主演男優賞:役所広司『孤狼の血』
■主演女優賞:安藤サクラ『万引き家族』
■助演男優賞:松坂桃李『孤狼の血』
■助演女優賞:松岡茉優『万引き家族』『blank 13』『ちはやふる -結び-』
■助演女優賞:伊藤沙莉『寝ても覚めても』『榎田貿易堂』
■最優秀新人賞:唐田えりか『寝ても覚めても』 吉沢亮『リバーズ・エッジ』『銀魂2 掟は破るためにこそある』『ママレード・ボーイ』木竜麻生『菊とギロチン』『鈴木家の嘘』
■審査員特別賞:『カメラを止めるな!』公開に係る全てのムーブメント、関係者
■特別大賞:山崎努
山崎 伸子
第1位『寝ても覚めても』(監督:濱口竜介)
第2位『孤狼の血』(監督:白石和彌)
第3位『万引き家族』(監督:是枝裕和)
第4位『花筐/HANAGATAMI』(監督:大林宣彦)
第5位『カメラを止めるな!』(監督:上田慎一郎)
第6位『菊とギロチン』(監督:瀬々敬久)
第7位『止められるか、俺たちを』(監督:白石和彌)
第8位『きみの鳥はうたえる』(監督:三宅唱)
第9位『鈴木家の嘘』(監督:野尻克己)
第10位『モリのいる場所』(監督:沖田修一)
第10位『日日是好日』(監督:大森立嗣)