フェイスブックの社長、自身の映画『ソーシャル・ネットワーク』を社員全員に見せていた!
第23回東京国際映画祭のオープニング作品『ソーシャル・ネットワーク』(2011年1月15日公開)の主演俳優ジェシー・アイゼンバーグと、脚本家のアーロン・ソーキンが初来日、10月25日にザ・ペニンシュラ東京で、来日記者会見を開催した。そこでふたりは、本作のモデルであるフェイスブックの創始者のユニークなエピソードを語ってくれた。
本作は『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(08)の鬼才デヴィッド・フィンチャー監督の最新作。世界最大のSNS、フェイスブックの創始者で、世界で最も若い億万長者となった、19歳の頃のマーク・ザッカーバーグの物語となっている。
10月23日に開幕したばかりの第23回東京国際映画祭だが、残念ながらフィンチャー監督は、ハリウッド版『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』を撮影中のため、来日は果たせなかった。アーロンは「グリーンカーペットを歩いて非常に感激したよ」と挨拶すると、ジェシーも「本作の日本での評判がすごくいいので楽しみです」と語った。
マーク役を熱演したジェシーは、役作りについて「現場でフィンチャー監督からは、本人の真似をするなと言われたんだよ。むしろ同時代に今、生きてる人の物語として描くことが重要だったから」とコメント。
興味深かったのが、アーロンが語ってくれた、マーク・ザッカーバーグ本人のリアクションだ。「マークは、自分が19歳の時のことを映画化されて、居心地の悪い思いをしていたと思うけど、彼はユーモアを持ってこの映画に接してくれたよ。自身の会社、フェイスブックの社員全員にこの映画を見せて、その後、飲みに連れて行ったみたいだよ」。ジェシーもそれについて、こうつけ加えた。「その社員のための試写会に、僕のいとこも参加したんだ。彼はフェイスブックの社員だから。マイクは僕の演技について『ナイス・ジョブ!』と言ってくれたみたい」。さすがは世界を制した天才! 懐が深い。
既にアカデミー賞の呼び声が高い『ソーシャル・ネットワーク』。若手実力派スターたちが奏でる緊迫感に満ちたアンサンブル演技は、ぐいぐいと胸に迫り来る。特にラストシーンは、ぐっと胸を鷲づかみにされそうになるので、是非劇場で確認してもらいたい。【Movie Walker/山崎伸子】