オスカー14回目のノミネート!“レジェンドデザイナー”の奇抜な衣装に注目!
日本時間2月25日(月)の午前10時から開催される第91回アカデミー賞。どの映画が作品賞を、誰が監督賞を取るのかなど、華やかなメインどころに注目が集まりがちだが、今回は、裏方で作品を支えるある人物に注目してみたい。
その人物とは、衣装デザイン部門で『メリー・ポピンズ リターンズ』(公開中)と『女王陛下のお気に入り』(公開中)の2つの作品でノミネートを果たしているサンディ・パウエルだ。今回で14回目という現役のデザイナーでは最多のノミネートを誇る大御所中の大御所の彼女。これまで3度のオスカー受賞歴を持ち、今年どちらかの作品で受賞を果たせば、『シカゴ』(02)などのコリーン・アトウッドと『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)などで知られるミレーナ・カノネロと並ぶ、現役デザイナーで最多タイの受賞数となる。
オスカーを受賞した『恋におちたシェイクスピア』(98)や『ヴィクトリア女王 世紀の愛』(09)など、時代物での絢爛豪華な衣装から『パーティで女の子に話しかけるには』(17)での、異星人たちのビジュアルのように奇抜なものまで、天才的なセンスがあふれている彼女のコスチューム。今年の衣装デザイン賞で受賞を有力視されている『女王陛下のお気に入り』でも、そのエッセンスが爆発している。
本作は18世紀初頭のイギリス皇室を舞台とした作品。にも関わらずデニムやレザーといった当時まだ使用されていなかった素材をあえて採用。さらに白と黒のモノトーンに色彩を限定することにより、皇室内での地位をめぐる人物たちの二面性を浮かび上がらせ、ドロドロとした争いをよりソリッドに際立たせている。
加えて、前衛的なコスチュームでありながら、裁断や服の構造という部分に関しては、極力、歴史を正しく踏襲しているため、観ているものが違和感を感じないという、まさに神業で唯一無二の衣装を生み出したのだ。
一方『メリー・ポピンズ リターンズ』では、魔法使いの主人公を象徴するような、カラフルでポップな衣装の数々で、見た目の楽しさを作品にもたらしている彼女。公の場に現れる際は、自身もその作品のエッセンスを取り入れた個性的なファッションに身を包み注目を集めるパウエル。オスカーの行方と共に彼女が今年はどんな姿で現れるのかにも注目してほしい!
文/トライワークス
『第91回アカデミー賞特集』はコチラから!https://movie.walkerplus.com/oscars/