【第91回アカデミー賞】助演男優賞は、『グリーンブック』のマハーシャラ・アリ
現地時間2月24日(日本時間25日)に、ハリウッドのドルビー・シアターで開催中の第91回アカデミー賞授賞式。助演男優賞に輝いたのは、『グリーンブック』(3月1日公開)で実在の黒人天才ピアニスト役を演じたマハーシャラ・アリだった。アリは『ムーンライト』(16)で第89回アカデミー賞の助演男優賞を受賞しており、本作で2度目の同賞受賞となった。
本作は、人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、実在した黒人の天才ピアニスト、ドクター・シャーリー(マハーシャラ・アリ)と、彼に雇われたイタリア系の用心棒兼運転手トニー・リップ(ヴィゴ・モーテンセン)との旅を描く。監督は『メリーに首ったけ』(98)などで知られるファレリー兄弟の兄・ピーターが務め、第76回ゴールデン・グローブ賞でミュージカル/コメディ部門の作品賞など最多3部門に輝いた。
相棒役のヴィゴ・モーテンセンとハグをしたあと、ステージに上がったアリ。まずは演じたドクター・シャーリーに向けて「エッセンスを捉え、自分のなかに入れようとしました。それが彼の生きた証かと」と感謝したあと、ヴィゴ・モーテンセンらキャストやスタッフ陣の名前を挙げていった。
そして「祖母にも感謝したい。生涯ずっと努力しなさい、いつもポジティブに頑張りなさいと言ってくれていました。祖母の存在なしではここに立ってないです。また、妻や娘、この映画に貢献してくれたすべての人たちに感謝します」と語った。
アリは1974年、カリフォルニア生まれのアフリカ系アメリカ人の俳優で、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』(08)や、Netflixオリジナルドラマ「ハウス・オブ・カード 野望の階段」などに出演。『ムーンライト』で、イスラム教徒として初のオスカー受賞俳優となったが、出演時間がわずか24分間だったことも話題に。本作では、主演のヴィゴと共に出ずっぱりだ。ジェームズ・キャメロン製作、ロバート・ロドリゲス監督作『アリータ:バトル・エンジェル』(公開中)にも出演。
文/山崎 伸子