名優・仲代達矢がトークショーに登場!京マチ子&市川崑監督との想い出を語る

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名優・仲代達矢がトークショーに登場!京マチ子&市川崑監督との想い出を語る

トークショーの聞き手は時代劇研究家の春日太一氏が務めた
トークショーの聞き手は時代劇研究家の春日太一氏が務めた

さらに前年に市川雷蔵と共演した『炎上』(58)に続いてのタッグとなった市川監督については「何本かやらせていただいていますけど、大好きな監督です。もちろん小林正樹監督や黒澤さん、木下恵介さんのような素敵な監督たちに使っていただきましたが、その中でも最も素敵な監督です」と敬意を込めて語り、撮影現場でギャラを幾らもらってるか訊かれたエピソードなどを明かす。

そして、役者のイメージとはかけ離れた素の姿を引き出す市川監督流の演出について「役者というものは地を基にして“扮する”のだと18歳から演劇学校で習ってきたので、映画でもそうなのだと思って下手に扮すると実感がなくなる。映画演技と演劇演技の違いを考えたことがありますが、いまだに演技は難しいなと思っています」と告白。

他にも『鍵』での自身の役作りについてや、もしリメイクされるなら当時中村鴈治郎が演じた夫の役をやってみたいこと、最近も京と電話で話をし近々一緒にお酒を飲みにいく約束をしたことなどを明かす仲代。また、先日までドイツやロンドンに行って世界の演劇事情を目の当たりにしたことや、今年の秋に「タルチュフ」を演じることなども語り、今後もますます精力的に役者道を歩んでいく意気込みを感じさせた。

「私もどうにか現役をやっていますが、86歳になりました。今現在はどういう映画の作り方がされているのかはわかりませんが、お金や時間が非常に贅沢にあった映画の時代に、私は仲間に入れていただいて、非常にありがたいと思っています」と笑顔で日本映画の黄金時代に想いを馳せ、最後に京について「見た目も演技も世界の人。素晴らしい女優、素晴らしい女役者だと思います。いつまでも元気でいてほしい」と語った。

取材・文/久保田 和馬

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