清楚な面影はどこにも無し!?夏帆が酒グセ、男グセ最悪の“ぶっ飛び女”に…
俳優にはブレイクのきっかけとなる役柄でのイメージがつきまとうもの。『天然コケッコー』(07)で日本アカデミー賞新人賞を受賞し、羽ばたいた夏帆も、いまだに清純というイメージが強いのではないだろうか。そんな彼女が、酒グセも男グセも態度も悪い“超クソ女”に大変身してしまった!?
その夏帆が、らしからぬ姿を披露している作品は、3月9より公開中の主演作『きばいやんせ!私』。監督・武正晴×脚本・足立紳という『百円の恋』(14)コンビによる本作は、東京で仕事や人間関係に疲れ、投げやりな毎日を送っていた女子アナが、幼少期を過ごした本土最南端の町・鹿児島県肝属郡南大隅町の御崎まつりを取材するよう命じられ、伝統文化を守ろうとする人々の姿に感化されていくという人間ドラマだ。
夏帆は、不倫騒動により左遷されてしまう女子アナの貴子を演じており、その荒れっぷりがかなりヤバい!2つ並べた椅子に踏んぞり返って「あーもう眠い」とダラけたり、バスの中でフガーと鼻を鳴らして眠ったりと、女子アナ的な華やかさとは、かけ離れまくっているのだ。
さらに酒を飲めば、ジョッキを机に乱暴に置いて「しょーもない番組ばっか作りやがって!」と汚い言葉遣いでくだを巻き、飲まなきゃやってらんないとばかりに飲みまくっては、翌日にゴミ箱にゲロをリバースする始末…。このチャレンジングな役を、いっさい恥じらいのない演技で、夏帆は見事に体現している。
地元の人々の想いに心を動かされ、やる気を取り戻した姿も魅力的だ。これまでの夏帆のイメージとは180度異なる役となっているが、そんな違和感を観る者に覚えさせないほどハマっている本作での演技。新たな扉を開いた彼女の姿に、スクリーンで驚かされること必至だろう。
文/トライワークス
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