クリント・イーストウッドのインタビューが到着!『運び屋』で俳優復帰を遂げた裏側とは?

インタビュー

クリント・イーストウッドのインタビューが到着!『運び屋』で俳優復帰を遂げた裏側とは?

クリント・イーストウッドが久々の映画出演を果たした『運び屋』が、現在公開されている。『グラン・トリノ』(08)以来、10年ぶりの監督・主演作となった本作、なぜ出演を決意したのかなど、イーストウッド本人が製作の裏側について語るインタビューが到着した。

イーストウッドが約7年ぶりに俳優復帰!その役どころを語る!
イーストウッドが約7年ぶりに俳優復帰!その役どころを語る![c]2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

本作は、メキシコ最大の麻薬カルテルが、87歳の老人にメキシコからデトロイトまで大量のコカインを運ばせていたという衝撃の実話を映画化したもの。もともとあまり有名な事件ではなく『グラン・トリノ』でも組んだ脚本家ニック・シェンクが手掛けた脚本を読んで知ったというイーストウッド監督。「一度だけ法を犯した時に、成功してしまったらどうなるのか」という状況に魅力を覚え、映画化を決意したのだそう。

「いまのハリウッドには自分が演じられる作品がない」と宣言し、一時は俳優引退もほのめかした彼が、主人公のアール役を務めていることも話題になっている本作。その経緯は意外とあっさりしており、事務所のスタッフから「やってみれば」と言われたからだという。

役を演じる上で「想像力が大切だ」と語るイーストウッド
役を演じる上で「想像力が大切だ」と語るイーストウッド[c]2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC
イーストウッドは、老人の運び屋を取り巻くジレンマに興味を持ったという
イーストウッドは、老人の運び屋を取り巻くジレンマに興味を持ったという[c]2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

「ドラマや演技、映画で役を演じるおもしろさは、感情やアイデアが湧き出してくることだ。頭で考えるより、内面の声を聞くべきだよ。基本的には、観客に心を伝えることだと思う」と語るように、アールを演じる上では、想像力を大事にしていたというイーストウッド。自身が演じた役について「まるでロビン・フッドみたいだ。違法なことで金を稼いでいるが、困っている人を助ける慈善家でもある」と分析しており、そのジレンマあふれるキャラクター像に魅力を感じたようだ。

ブラッドリー・クーパーを俳優として絶賛しているイーストウッド
ブラッドリー・クーパーを俳優として絶賛しているイーストウッド[c]2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

そんなアールを取り巻く配役にも「すばらしいキャストがそろっていて大満足」という言葉通りの実力派が集結している本作。アールを追い詰めていくコリン・ベイツ捜査官を演じている“イーストウッドの後継者”とも言われるブラッドリー・クーパーについては、「『アメリカン・スナイパー』で仕事をして、信頼している。理解力があって、直観力も優れている。自分にとってなにが正しいかわかっている」と大絶賛。監督業についてアドバイスを求められることもあったという。

また、前作『15時17分、パリ行き』(18)では、実際に事件に巻き込まれた3人を起用し話題となったイーストウッドだが、主人公のアールが、ないがしろにしてきた家族との関係の大切さに気づいていく本作では、実の娘であるアリソン・イーストウッドをアールの娘のアイリスに配役。この抜擢についても「キャスト担当から勧められ、ナイスアイデアだと思った。娘は最近演技をしていなかったけどね」と語っており、役に適材を起用する彼のこだわりが見て取れる。

娘役には実の娘であるアリソン・イーストウッドを起用している
娘役には実の娘であるアリソン・イーストウッドを起用している[c]2018 VILLAGE ROADSHOW FILMS (BVI) LIMITED, WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC

「私はいつも異なるタイプの物語に興味がある。西部劇でも、現代劇でも、どんな作品でも、私はずっと新しいもの、脳を刺激するものを探そうとしてきたし、この作品もそうだ」と説くイーストウッド。年配の運び屋を描いた本作のテーマについては「学ぶことに年齢は関係ないということ。年を取っても学べる。そうしながら、人に教えることもできる」と語っている。彼自身の生き様とも共通するような劇中での姿に、ぜひ注目して観てほしい。

文/トライワークス

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