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マーベル・シネマティック・ユニバースはメジャー監督への登竜門?

コラム

マーベル・シネマティック・ユニバースはメジャー監督への登竜門?

3月15日(金)からの公開も目前に迫った『キャプテン・マーベル』。本作でヒロインに抜擢されたブリー・ラーソンをはじめ、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)では、シリーズを通して多くの演技派キャストが起用されてきた。一方で、メガホンを任された監督たちも、知る人ぞ知る実力派ぞろいだ。

アベンジャーズ誕生以前の物語が描かれる『キャプテン・マーベル』
アベンジャーズ誕生以前の物語が描かれる『キャプテン・マーベル』[c]Marvel Studios 2019

『キャプテン・マーベル』を手掛けるのは、アンナ・ボーデン&ライアン・フレックの監督コンビ。ボーデンがMCU初の女性監督ということで話題を呼んだが、彼らが注目されているもう一つの理由がその経歴。彼らは、ライアン・ゴズリングを主演にドラッグを題材にした『ハーフネルソン』(06)や、うつで入院した少年を描いた『なんだかおかしな物語』(10)など、人間の弱さや優しさを見つめたインディーズ作品で知られるクリエイター。2人にとって『キャプテン・マーベル』は初のメジャー大作であり、初のアクション・エンタテインメントとなる。

【写真を見る】劇中で使われる楽曲のセンスも光ったジェームズ・ガン監督の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』
【写真を見る】劇中で使われる楽曲のセンスも光ったジェームズ・ガン監督の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』 [c]2017 MARVEL

振り返れば、『アイアンマン3』(13)のシェーン・ブラックも監督2作目。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(14)のジェームズ・ガンや、『マイティ・ソー バトルロイヤル』(17)のタイカ・ワイティティ、そして『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』を皮切りにシリーズのメインストリームを手掛けているルッソ兄弟も、低予算映画やテレビ畑の監督でメジャー大作はMCUが初だった。

前2作とは作品のカラーが変わったタイカ・ワイティティ監督による『マイティ・ソー バトルロイヤル』
前2作とは作品のカラーが変わったタイカ・ワイティティ監督による『マイティ・ソー バトルロイヤル』[c]2018 MARVEL

『アイアンマン』(08)に始まる‟フェイズ1”では、ジョン・ファヴローやルイ・レテリエ、ジョー・ジョンストンら中堅・ベテラン勢が活躍したが、‟フェイズ2”となる『アイアンマン3』以降は新人や若手監督を積極的に起用。現在準備中の『The Eternals(原題)』では、昨年のカンヌ映画祭で注目を集めたインディーズの女性監督クロエ・ジャオがアナウンスされている。

ルッソ兄弟は『アベンジャーズ/エンドゲーム』(4月26日公開)も手掛ける“MCUの顔”(『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』)
ルッソ兄弟は『アベンジャーズ/エンドゲーム』(4月26日公開)も手掛ける“MCUの顔”(『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』)[c]2017 MARVEL

まさに登竜門の感もあるMCUだが、監督たちの経歴を見ると、脚本や短編、インディーズ作品での受賞やノミネートの経験者ばかり。メジャー未経験の彼らの魅力は自由で新鮮な発想。これは既成の枠にとらわれないエンタテインメントを目指す、マーベル・スタジオらしいチョイスと言える。同時にMCUがヒーローたちの人間ドラマに力を入れていることの証でもある。

ボーデンとフレックは、「CEOのケヴィン・ファイギらマーベル・スタジオが、MCUの世界観作りをサポートしてくれた」と語っており、だからこそ、クリエイティブワークに集中できたという。新たな才能を発掘する“鑑識眼”も、MCUの魅力を支えているのである。

文/神武団四郎

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