アカデミー賞助演男優賞最有力候補は『ウォール・ストリート』のマイケル・ダグラス
前回はアカデミー賞作品賞候補10作品についての早出し予告記事を紹介したが、今回は助演男優賞。ニューヨーク・マガジンによれば、最有力候補に、カンヌ国際映画祭の招待作品だったマイケル・ダグラスの名が浮上している。
同作は、23年前にダグラスがゴードン・ゲッコーを演じ、同主演男優賞を受賞した『ウォール街』(87)の続編だ。過去の歴史を見てみると、同じ役どころでアカデミー賞をダブル受賞した例はないが、今回は主役をシャイア・ラブーフに譲っており、20世紀フォックスは、ダグラスが助演男優として認識されることに期待を寄せているようだ。
とはいえ、1963年の第36回アカデミー賞で『ハッド』(63)の助演のパトリシア・ニールが主演女優賞を、主演のメルヴィン・ダグラスが助演男優賞を受賞するなど、過去にも主演か助演かで判断が分かれた例があり、そこはアカデミー協会のメンバーに委ねられている。
現時点での他の助演男優賞候補は、11月24日(水)全米公開『The King's Speech』のジェフリー・ラッシュ、12月10日(金)全米公開『The Fighter』のクリスチャン・ベール、12月25日(土)全米公開『True Grit』のマット・デイモン、12月29日(水)全米公開『Another Year』のジム・ブロードベント、『The Way Back』のエド・ハリスほか、既に公開されている作品では、『ソーシャル・ネットワーク』のアンドリュー・ガーフィールドとジャスティン・ティンバーレイク、『Conviction』のサム・ロックウェル、『ザ・タウン』のジェレミー・レナー、そして『The Kids Are All Right』のマーク・ラファロなどがおり、かなり熾烈な闘いが予想されている。
しかし、ステージ4のがんと闘い、8週間の集中治療に取り組みながらも映画のプロモーションを行った役者魂を絶賛する声が多いこと、またマット・デイモンが、スティーブン・ソダーバーグ監督の新作でダグラスと共演すると宣言しているにもかかわらず、未だに末期がんによる俳優引退説や余命わずかなどといった噂が流れていることもあって、ダグラスに対してはかなりの同情票が期待されているとか。現時点ではダグラス有力説が根強いようだ。【NY在住/JUNKO】