堺雅人、仲間由紀恵と松坂慶子の加賀友禅姿を見て「両手に花」
森田芳光監督の時代劇『武士の家計簿』(12月4日公開)の完成披露試写会が11月8日に丸の内ピカデリー1で開催され、堺雅人、仲間由紀恵ら豪華キャストと森田監督が登場。女性陣は劇中にも登場する艶やかな加賀友禅を着て現れ、客席の羨望を浴びた。
堺扮する『武士の家計簿』の主人公は、家業のそろばんの腕を買われて出世した加賀藩の武士、猪山直之。彼が愛する家族と共に、幕末から明治にかけての激動の時代をつつましくも堅実に生きていく。
舞台挨拶に登壇したゲストは、堺雅人、仲間由紀恵、松坂慶子、中村雅俊、西村雅彦、森田芳光監督。草笛光子は風邪のため、大事をとって欠席となった。加賀友禅をまとって現れたふたりに囲まれた堺は「両手に花、と申しましょうか。立てばシャクヤク、座ればボタン」と、にこやかな笑みを浮かべ、ふたりの美しさを褒めたたえた。10月30日に誕生日を迎えたばかりの仲間は、客席からの「お誕生日おめでとう」の声に「ありがとうございます。31になりました」と笑顔で答え、作品については「現代に通用する家族の愛、心の豊さが感じられる作品です」とアピールした。
貫禄の着物姿を披露した松坂は「『愛の水中花』を歌っていた頃、森田監督とラジオでご一緒して、『いつか監督の映画に出させてくださいね』って言いましたが、やっと今回実現できて嬉しいです」とコメントした。舞台挨拶の途中で、息子・直吉役の大八木凱人も、映画の舞台である金沢の玩具、加賀八幡起上りと共にちょんまげと袴姿で登場。「みなさんが優しくしてくれたので楽しくお芝居できました」と、元気よく挨拶をすると、会場から歓声が上がった。
貧しい家計でも工夫して賢くやりくりする猪山直之の姿は、まだまだ不況が続く今の時代を生きる我々の心をも震わせる。合戦シーンも醜い愛憎劇も出てこないが、見終わった後、温かな余韻を約束してくれる、こんな時代劇があってもいい。【Movie Walker/山崎伸子】