ジャニーズJr.の“新世代”SixTONESが明かす、『少年たち』に込めた想いとは?
――日本映画ではあまり多くないミュージカルというジャンル。撮影の上で難しかったことやチャレンジングだったことは?
京本「ミュージカル自体は舞台で経験させていただいているのですが、劇中歌が台詞として成り立っていることが多い。でも本作の歌はシチュエーションには合っていても台詞を交わし合う曲ではなく、歌の中でストーリーが動いているわけではない。なので感情をどうやって乗せていいのか研究しないといけなくて大変でしたね。ある意味、ジャニーズならではのミュージカルなんじゃないかと」
田中「僕の場合、演じている情報屋がストーリーに登場する前から歌を歌うシーンがあったので、正直どうしたらいいんだろうって思いました(笑)。作品全体で見ると、ミュージカル演技と普通の演技で場を仕切る人が違っていたので、それぞれを違和感なくつなげるのが難しいだろうと思いました」
高地「大我が言ったように、ストーリーの内容が歌詞に入っているのではなく、シーンごとに合った音楽を使って話を進めていくという点で、新しい“ジャニーズ・ミュージカル”っていうジャンルを開拓したんじゃないかなと思います。でも冒頭のワンカット長回しのシーンは大変でした。ミスしたらどうしようとがむしゃらにやって、自分との戦いでした」
森本「自分は冒頭の8分間のシーンと、物語の本筋の部分がつながっていないんじゃないかなと思って、あえてギャップを作ろうと思って演じたんです。最初のほうはイケイケな少年の感じで、芝居が始まってからの歌やダンスでは役のキャラクターでいこうと。その2つの違いを見せることが大変でしたね」
ジェシー「物語と歌がつながっていないっていう話なら、僕は夢の世界だと思って演じていました。刑務所では音楽は流れないし、看守がマネキンだと思えばいいんだよっていうように、少年たちは夢の世界で踊っている。そう思って見てもらえれば、ミュージカルシーンもすんなり入ってくるんじゃないかな」
松村「僕が完成した作品を観て思ったのは、どの曲もおいしいところで使われていること。少年たちの若さを出したり勢いを出す役割を果たしていたり、テンポ感を出したり。いろいろな見方ができるとは思いますけど、この映画においてミュージカルは軸なんだなと改めて感じています」
――最後に、この作品に込めた想いを聞かせてください。
京本「僕たちジャニーズJr.は勉強させていただいている立場で、ジャニーさんの舞台に対する想いを知っている。こうして映画という形でジャニーズの世界観を伝える立場に選んでいただいて、全身全霊こめて撮影に臨みました。できるだけ多くの人に観ていただくことがジャニーさんへの恩返しになると思っています」
田中「ジャニーさんの舞台作品で初めて映画化され、製作総指揮もジャニーさん。だからこそジャニーズのエッセンスや、何年も積み重ねてきたジャニーズの歴史が詰まっている。きっとこれまでジャニーズに触れてこなかった人にも知ってもらえる良いきっかけになってくれると信じています!」
高地「半世紀前から大先輩たちが演じられていた作品なので、おじいちゃんおばあちゃんにも懐かしいと思ってもらえるかもしれません。それにたくさんのJr.が出ている、ジャニーズJr.の教科書のような作品です。1人でも覚えてもらえればいいな」
森本「これだけ多くのジャニーズJr.が出演している。これから先の世代を担っていく子たちもいますし、彼らの顔を覚えていただいて、そしてジャニーさんのメッセージを受け取って、これからの人生に活かしてもらえればと思います」
ジェシー「先輩たちが舞台をつないできて、僕たちのタイミングになって、そして僕たちジャニーズJr.だからできることがいっぱいある。先輩たちも出演されていますが、僕たちや『少年たち』のことを知ってもらえるチャンスでもある。ひとつでも、どこかのシーンで何か感じてもらえることがあればいいなと願っています」
松村「この『少年たち』のような作品は今までになかったし、たぶんこれからもたくさん作られるものではないと思います。是非このタイミングで、こういう映画があるんだと知って、僕たちジャニーズJr.に触れてほしいと思います」
※高地優吾の「高」は「ハシゴ高」が正式表記
取材・文/久保田 和馬