シネマコン2019でわかった、今年の映画館を彩る各スタジオの話題作は?
ハリウッドの映画スタジオが劇場主や映画業界に向けて今後のラインナップをお披露目する「CinemaCon」がラスベガスで開催された。今年はソニー・ピクチャーズが出展を見送ったが、ディズニーが21世紀フォックス買収合併後初となるラインナップ発表を行い、例年になく話題性の高いコンベンションに。各スタジオの注目作、トピックなどを紹介する。
●STXエンターテイメント
中国との資本関係もある新興スタジオのSTXエンターテイメントは、強力なラインナップを揃えた。ガイ・リッチー監督による『The Gentlemen(原題)』は、マシュー・マコノヒー、ヒュー・グラント、コリン・ファレル、そして『クレイジー・リッチ!』(18)のヘンリー・ゴールディングが共演する、ドラッグ・ディーラーたちの物語。『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』(98)や『スナッチ』(00)のような、ガイ・リッチー節が期待できそう。『ブラック・パンサー』(18)のチャドウィック・ボーズマンが主演する『21 Bridges(原題)』は、『アベンジャーズ/エンドゲーム』(4月26日公開)のルッソ兄弟が製作を務める刑事もの。そのほかのラインナップは、『ザ・ボーイ〜人形少年の館〜』(16)の続編『Brahms:The Boy II(原題)』(主演:ケイティ・ホームズ)、ダイアン・キートンが熟年チアリーダーに扮する『POMS(原題)』など。
●ワーナー・ブラザーズ映画
シネマコンを通して話題となったのが、ホアキン・フェニックス主演の『Joker(原題)』だ。「ハングオーバー!」シリーズのトッド・フィリップスが監督・脚本を務め、ブラッドリー・クーパー製作、ロバート・デ・ニーロが共演する本作は、ジョーカーが誕生するまでの物語。初お披露目となった予告編では悲しいまでの狂気に満ちたホアキン・フェニックスの姿が確認できる。『IT/それが見えたら、終わり。』(17)の続編『It:Chapter 2(原題)』に出演するジェシカ・チャスティンと子供たち、『The Good Liar (原題)』でイアン・マッケランと共演するヘレン・ミレンなどが壇上に立ち、『名探偵ピカチュウ』(5月3日公開)からは、ホログラムのピカチュウ(声:ライアン・レイノルズ)が登場した。そのほかのラインナップには、『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(5月31日公開)、ブルース・スプリングスティーンの楽曲に勇気付けられる少年たちの物語『Blinded By The Light(原題)』など。
●ユニバーサル映画
『グリーンブック』のアカデミー賞作品賞受賞や『ブラック・クランズマン』の脚色賞受賞で沸いた18年のユニバーサル映画。19年は、『英国王のスピーチ』(10)のトム・フーパーが監督する実写版ミュージカル『Cats(原題)』をオスカー戦線に向けて投入。テイラー・スウィフト、ジェームズ・コーデン、イドリス・エルバ、イアン・マッケラン、ジュディ・デンチ、そして当日「メモリー」を生歌で披露したジェニファー・ハドソンが出演。また、大人気シリーズ「ワイルド・スピード」の最新作『Hobbs & Shaw(原題)』から元FBI捜査官のホブスを演じるドウェイン・ジョンソンと特殊部隊出身のショウを演じるジェイソン・ステイサムが登壇し、大喝采を浴びた。そのほかにも、ビートルズが存在しなかった世界にタイムスリップしてしまった少年を描く『Yesterday(原題)』のダニー・ボイル監督と主演のヒメーシュ・パテル、WHAM!の名曲をもとにしたラブコメディ『Last Christmas(原題)』からヘンリー・ゴールディングとエマ・トンプソン、ポール・フェイグ監督が登壇した。