80年代カルチャーがてんこ盛り!いま1番“懐かしくて新しい”『ストレンジャー・シングス』入門
最大10日間という大型連休のGWは、普段なかなか観る時間がない海外ドラマをイッキ見するチャンス!とはいえ、どの作品を観ればいいのか…という人も多いことだろう。そんな人にぜひオススメしたいのが、Netflixのオリジナルドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」だ。
この作品は1980年代のインディアナ州の田舎町ホーキンスを舞台に、突然姿を消した少年ウィルの失踪を巡って、残された家族や友人、地元警察が、不可解な超常現象に巻き込まれていくというSFアドベンチャー。スリラー要素も多いジャンルもので、さらには無名の子役たちが物語の中心でありながら、配信開始と同時に世界中で大ヒットし、ハリウッドなどのユニバーサル・スタジオに期間限定のアトラクションが登場するなど、社会現象とも言える人気を獲得。7月4日(木)からはシーズン3の配信が控え、いま最も観ておきたいドラマなのだ。
80年代、巨匠スピルバーグへの憧憬
そんな本作の大きな特徴が、ポップカルチャーの黄金期とも言える80年代への愛情やオマージュが、物語の構造から小道具に至るまで、あらゆるところに盛り込まれているという点だ。
特に同時代を代表するスティーヴン・スピルバーグ監督作品からの影響は大きく、その最たるものが『E.T.』(82)だ。宇宙人と出会った少年たちが、彼をかくまいながら科学者たちの追跡から逃れるというこの作品同様に、「ストレンジャー・シングス」も、ウィルを捜索していた少年3人組が、限られた言葉しか喋らず、さらに超能力を持つという人間離れした謎の少女イレブンと出会い、研究機関からかくまったことで、怪奇的な現象に巻き込まれていくというストーリーが展開する。
話の構造だけでなく、イレブンが家で留守番をしている時に、テレビなど様々なものに興味を持ったり、カツラとドレスで着飾ったり、さらに自転車で研究機関から逃げ回ったり…など、挙げきれないほどの『E.T.』オマージュが盛り込まれている。
さらに、ハットにベージュのシャツというインディ・ジョーンズを思わせる風体の地元警察の所長や、『グーニーズ』(85)さながらの少年たちのバディ感など、どのシーンをとってもスピルバーグの影響が色濃く反映されているが、単にビジュアル面だけでなく、“怖がらせるところはしっかり怖がらせる”といったイズムや、青春モノならではの爽やかさとグロテスクなスリラーさが入り混じった鑑賞感など、本質的な部分も継承しているのだ。