【レビュー】『アベンジャーズ/エンドゲーム』喪失感と向き合うヒーローたちの真の強さが試される
圧倒的スケールとおもしろさで、世界中で記録的なヒットを続ける「アベンジャーズ」シリーズ。第4作目となる『アベンジャーズ/エンドゲーム』(4月26日公開)は、完結編にふさわしい衝撃のドラマが展開する!
宇宙のバランスを取り戻すという狂信的な思いに駆られ、強大な力を持つ“インフィニティ・ストーン”で全生命の半分を抹殺したサノス。地球上の人類もその半数が消し去られ、それはアベンジャーズも例外ではなかった。それから5年後、量子世界に旅だったまま消息を絶っていたアントマンが突然帰還。変わり果てた世界を目にした彼は、 アベンジャーズに“あるプラン”を提案する…。
前作『アベンジャーズ /インフィニティ・ウォー』(18)でサノスの前に敗れ去ったアベンジャーズ。残されたメンバーたちは再びチームを結成し、サノスとの再決戦に向け立ち上がる。監督は『インフィニティ・ウォー』に続いてアンソニー&ジョー・ルッソ兄弟。壮大なバトルとアクションで押しまくった前作から一転、キャラクターの個性や背景を重視してきたマーベルらしく、今作では残されたメンバーたちの人間ドラマを繊細に描出する。大切な人を失った喪失感と向き合う姿を通し、ヒーローたちは真の強さを試されるのだ。
サノスとのリベンジマッチでは、圧倒的な強さを誇る敵を前に、前作では姿を見せなかったアントマンやホークアイ、そしてキャプテン・マーベルらがアベンジャーズに加勢。シリーズ総決算にふさわしいスケールで壮絶なバトルが繰り広げられる。
二転三転するサノスとの攻防戦、時間や空間の概念を超えた量子世界でのスリリングなミッション、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の歴代キャラの再登場、故スタン・リー最後のカメオ出演まで、まさに全編が見どころ。涙腺直撃の見せ場がいくつも用意されたアベンジャーズ最後にして最大の戦いは、間違いなくMCUにひとつの終わりを告げた――。
文/神武団四郎