浜辺美波&森川葵にいじられ…高杉真宙「これが大人の余裕です!」
個性的すぎるキャラクターに扮した、若手俳優たちの振り切った熱演が話題となったドラマ「賭ケグルイ」が、『映画 賭ケグルイ』となってスクリーンにお目見えする(5月3日公開)。ヒロイン、蛇喰夢子(じゃばみゆめこ)役を演じる浜辺美波の「賭け狂いましょうー!」という恍惚顔もインパクト大だが、浜辺は「高杉さんと森川さんがいるからこそ、スイッチが入る」と共演者の高杉真宙と森川葵に信頼感たっぷり。ドラマ版「season1」「season2」から続投し、絆を深めてきた3人を直撃した。
シリーズ累計発行500万部突破の人気コミックを映像化した本作。最強JKギャンブラーの夢子が、ギャンブルバトルに挑む姿を描く。18年1月より実写ドラマ化され、この春には「season2」の放送がスタート。劇場版では、夢子と生徒会との対立を軸としながら、第三勢力の「ヴィレッジ」が登場。熾烈な三つ巴の戦いが繰り広げられる。高杉が夢子の小心者の同級生・鈴井涼太役、森川が夢子と共に生徒会と立ち向かってきた早乙女芽亜里役を演じている。
浜辺美波、いざ「賭ケグルイ」の世界へ!必要だったスイッチとは?
ーー久しぶりに「賭ケグルイ」の世界へと帰ってきました。振り切った演技が必要となる役どころだけに、撮影現場に入る前には心の準備が必要でしたか?
浜辺「私は同じ役をこんなに長くやらせていただくことも初めてで、約半年ぶりに夢子を演じるとなった時に『ちゃんと戻れるのかな』と不安もありました。撮影に入る前に、映画版の新キャラクターを演じる方々と脚本の読み合わせをさせていただいたんですが、声真似のようになってしまって。『どうしよう…』と思いました。でも高杉さんと森川さんと会った時に、『これだ!』としっくり来るものがあって。やっぱり夢子らしい夢子は、鈴井や芽亜里と一緒にいる時なんだと思ったんです。そういうバシッと来る瞬間があるものなんだなと、驚きました」
高杉「『賭ケグルイ』の撮影が始まる時って、すごく切り替えが必要で。普段はあまり使わないようなギアを入れなければならない。ただ僕も、一人ではそのギアが入らないんです。現場に行って、共演者の方と会ってこそ、始められる。それだけに現場に入る前の日は、めちゃめちゃ緊張しています。まあ、僕は入ってからも緊張しているんですが…(苦笑)」
森川「そうだよね。ひとつスイッチを入れないと、演じきれない。現場に行くと英(勉)監督が盛り上げてくださるし、やっぱりこの2人と会うと全然違う!『これが賭ケグルイだ!』って、スイッチが入るんです」
高杉真宙、浜辺美波&森川葵にいじられまくり!「大人の余裕です」
ーー3人が演じられているキャラクターも、より表情が豊かになってきているように感じます。お互いから見て「この人のここがパワーアップしている」と感じるのはどんな点でしょうか。
森川「夢子の『賭け狂いましょう!』の決めゼリフ!狂気に満ちた表情も、パワーアップしていたと思います。それはもう見ていて、お腹の底からゾワゾワとするくらいです。どんどん夢子になっているなと思いました」
浜辺「うれしい!森川さんの演じる芽亜里は、『season1』では女王様感が強くて、猫っぽかったと思います。でも劇場版では、ツンとした面もありながら、愛らしさが増していました。かっこいいキャラクターなんですけれど、『芽亜里ってかわいいな!』とずっと思っていました」
森川「劇場版の芽亜里は、いろいろな人と関わっていくんです。上手にみんなと関わり合っていくことが、“愛され力”につながっているのかなと思いました」
浜辺「鈴井さんのポチ度は、どんどん増していますね(笑)。最初から似合っていたけれど、よりポチ度が染み付いていっている。もうポチ札は外れているのに、不思議ですね」
森川「わかる!役名を忘れてしまう時があります!ポチの役名ってなんだっけ…?って(笑)」
ーー高杉さんは、現場でいじられてしまうそうですね。
高杉「そういう扱いですよね…。いいんです!楽しんでやらせていただいています。現場ではいつもそうやっていじられ…いや!愛されています!ありがたく受け取っています」
森川「いつもいじらせてくれるんです。本当に心が広い!」
高杉「ありがとう。これが大人の余裕!『賭ケグルイ』ほどいじられる現場もないので、もし今後、ほかの現場でみんなと会った時が不安でもあります(笑)。それくらいみんなと仲良くなれたということかもしれません。でもみんな、やっぱりパワーアップしましたよね。夢子さんでいうと、お茶目度がアップしている気がします。鈴井と一緒になってお茶目なことをしてくれるんです!うれしかったなあ」。
浜辺「夢子も、どんどん自由度が増しているかもしれないですね。高杉さんと森川さんを見ていても、原作のキャラクターを最大限に活かしながら、どんどん成長させていて、いつも、私も頑張ろうって思います。夢子のお茶目な部分も、JKらしくていいなと思います。票争奪ジャンケンでの夢子の生き生きとした表情もこれまでに見せたことのない一面だと思いますので、ぜひ楽しんでいただきたいです!」
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ーー本シリーズが、役者としてのターニングポイントとなったと感じることはありますか?
浜辺「怒りや爆発した感情を人にぶつけるというのは、普段も遠慮してしまいますし、役としてもやったことがなくて。自分のテンションのマックスが、どこまでなのかを知らなかったんです。『season1』の1話でそれを知ることができて、劇場版のクライマックスでも『全力を出せばここまでいけるんだ、なんでもできるかもしれない』と思えた。自分の限界だと思っていた以上のものを、教えてくれた作品なのかなと思っています。英監督は鼓舞もしてくれるし、なによりも私たちを信じてくださる。『壁なんかない、飛んじゃいなよ!』という雰囲気を出してくださるんです」
高杉「鈴井役は、これまで僕がやったことのないような激しい役です。ここまで叫んだり、慌てふためく役もないので、『こんなことやってしまっていいんだ!』と思うくらい楽しいです。普段もあんなに表情筋を動かして叫ぶことはまずないですし、だからこそ余計に楽しい。叫ぶにしても『単調になってしまってはいけないな』と悩むんですが、そうやって考えている時間もとても楽しいです。一皮むけることができたんじゃないかと思いますし、英監督はいつも、違う自分に出会わせてくれる方です」
森川「私はアクションとダンスが苦手だったんですが、今回、英監督に『やってみて』と言われて…。頑張って家でも練習して、臨みました。完成したものを見ると、オープニングのダンスもかっこよかったなと思えたんです。やってみる前に『嫌』と言わずに、『とりあえずなんでもやってみよう』と意欲がわいてきました。こう思えたことは、これからの女優人生にとっても大事な気づきになったんじゃないかなと感じています」
ーー続編も観たくなります!また私立百花王学園の赤ブレザーを着たいと思いますか?
浜辺「ラスベガス編をやりたいです!」
森川「実は『結構、もう制服はキツいな…』と思っているんです。こんな短い丈のスカートを履くことも、もはや普段でもないですから!でもラスベガスに行けるなら、ぜひ着たいです!」
高杉「じゃあ、ラスベガス希望で!」
取材・文/成田 おり枝