ハリウッドからリメイクオファー殺到中のコリアンホラーが遂に日本上陸

季節はすっかり冬となり、ますます肌寒くなるなか、さらに背筋を凍りつかせるような韓流ホラーサスペンス映画『ベストセラー』が、12月4日(土)よりヒューマントラスト渋谷ほかで順次公開される。

韓国最高の女性ベストセラー作家として君臨するも、盗作疑惑を受けてしまったヒス。幼い娘のヨニと共に人里離れた山奥の別荘に移住し、こっそりと創作を再開させるが、別荘では毎日のように奇怪なことが起こり、ヨニも奇妙な言動を取るように。ヒスは、いつしかヨニの話す奇妙な物語に執着し、それをもとに1つの小説を書き上げる。

ジャパニーズホラーにも通じる、じっとりと重苦しい雰囲気の恐怖描写で数多くの秀作を送り出してきたコリアンホラー界だが、本作でも家全体に響く奇妙な音や、不気味な開かずの部屋など、恐怖ポイントが満載だ。さらにテーマの1つに盗作問題があり、ヒスがただ恐怖に翻弄されるだけの被害者ではないことも重要なキーポイントになっている。これにより、スリラーにサスペンス要素も融合した重厚な物語に仕上がっているのだ。そして精神的にも肉体的にも追い詰められるヒスを演じるのは『TSUNAMI ツナミ』(10)のオム・ジョンファ。役作りのために7kgもやせた彼女の渾身の演技は、見る者全てを恐怖のどん底に陥れる。

練りこまれたストーリーと恐怖描写で韓国の映画ファンを魅了した本作だが、早くもハリウッドからリメイクオファーが殺到中だ。その中でもリメイク権獲得の最有力候補に挙がっているのが、『インファナル・アフェア』(02)をハリウッドリメイクした『ディパーテッド』(06)のプロデューサー、ロイ・リーだとか。世界のヒットメーカーも驚いた話題作。ホラー映画に食傷気味という人も、なめてかかると痛い目にあうかもしれない。【トライワークス】