【ネタバレ注意】アイアンマンとスパイダーマンが共に歩んだ9年間…師弟を超えた絆に注目!
2人の出会いは『アイアンマン2』(10)まで遡る。終盤に登場するアイアンマンのヘルメットをかぶった小さな少年、それが幼い頃のピーターだとスパイダーマン役のトム・ホランドが明かしている。その後『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』(16)から同じ“ヒーロー”として関わりを持つことになり、『スパイダーマン:ホームカミング』(17)で自身の力を過信して躍起になるピーターをトニーが制するなど、2人の師弟関係は作品を重ねるごとにより強固なものになっていく。
次第にトニーは、自身とピーターとの関係に父ハワードと自分を重ね、師弟を超えた関係へと発展。本作で地球に帰還したトニーが、キャプテン・アメリカへの第一声でスパイダーマンを失ったと口にするところからも、トニーにとってピーターが息子同然の存在だったことがうかがい知れる。そしてトニーはピーターを取り戻すために再び立ち上がり、消滅した人々の復活を果たし、自らの命を削ってサノスを阻止する。
『エンドゲーム』のその後を描く『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』の予告編が先日解禁されたが、そこでも冒頭からトニーを失った悲しみに打ちひしがれるピーターの姿が映しだされた。これまで何度も映画化されてきたスパイダーマンの物語にはいずれも、彼にヒーローとしての自覚を芽生えさせる最初の試練として、父親同然の叔父を亡くしてしまうという哀しい出来事が描かれていた。
しかしMCUのスパイダーマンでは、セリフのみでその設定が語られるに留まり、実際にその描写は登場していない。MCUでピーターが直面する初めての“死”は、アイアンマンことトニー・スタークの死。つまりそれは、過去の別シリーズのスパイダーマンが乗り越えてきた試練と同じような意味が込められているということだろう。アイアンマンから託された“鉄の遺志”を胸に、今後ピーターはどのように成長していくのか。
まだ観ていない人はもちろんのことすでに体験済みの人ももう一度、アイアンマンとスパイダーマンの絆に注目しながら『エンドゲーム』をより深く味わい、6月28日(金)から公開されるMCUフェイズ3の最終作『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』に備えてみてはいかがだろうか。
文/久保田 和馬