池田エライザから「呪っちゃダメ」と言われた貞子、カップル限定イベントにひとりで登場!
90年代後半に日本中を席巻したJホラーブームを牽引した、鈴木光司原作の「リング」シリーズ。その最新作となる『貞子』が5月26日(金)から公開されるのに先がけて20日、TOHOシネマズ新宿にてカップル限定試写会が開催。登壇予定だった主演の池田エライザが風疹を発症したため急遽欠席となり、貞子がひとりで登壇。“呪念”をMCに通訳してもらいながら、最新作を熱烈にアピールした。
時代の変化と共に恐怖の形状を変え、“見たら死ぬ”呪いのビデオから“撮ったら死ぬ”呪いの動画へと進化を遂げた貞子。本作では心理カウンセラーとして働く茉優(池田エライザ)のもとに、記憶障害の少女が入院してくるところから物語が始まり、彼女の周囲で奇妙な出来事が。そして茉優の弟で動画クリエイターとなった和真(清水尋也)は心霊動画を撮ろうと団地の火災跡に忍び込み、消息を絶ってしまう…。
たった1人で大勢の前に登壇することの緊張からか、いつも以上にぎこちない足取りで姿を現した貞子。それでもすっかり慣れた様子で観客に向けて手を振ると、会場からは「かわいい!」と歓声があがり、照れているような素ぶりも。来場者へのお礼と謝罪を綴った池田からのメッセージがMCによって代読されるのをおとなしく聞いていた貞子は、池田からの「貞子ちゃんごめんなさい。私がいないからって呪っちゃダメですよ」との言葉に大きく頷いてみせた。
この日の試写会は、様々な効果によって映画の世界を全身で体感することができるMX4D版での上映。すでにMX4D版で作品を鑑賞したという貞子はMCを介して「耐えられないくらい怖かった。近付いてくるリアル感が怖く、特に私が茉優の腕を掴むシーンが…」と、自分の作品にもかかわらず恐れおののいたことを告白。さらに『リング2』(99)以来となる中田秀夫監督とのタッグについては「とにかく明るくエネルギッシュに喋る監督を見て、中田組に帰ってきたんだなと実感しました。的確かつ頼れる指導官っぷりに心が震えました。またご一緒することができてうれしく思います」と熱弁をふるった。
その後、会場のカップルの中から抽選で選ばれた1組と記念撮影を行なった貞子。池田からの忠告を無視して2人に「一生離れられない呪い」をかけ、長く付き合う秘訣として「互いを違う存在として認め、リスペクトし合うこと。そして相手を呪わないことです」と的確なアドバイス。最後に観客に向けて深々とお辞儀するなど、礼儀とユーモアを兼ね備えた国民的怨霊の姿に、会場はホラー映画の上映前とは思えないほどあたたかな空気につつまれていた。
取材・文/久保田 和馬